文献情報
文献番号
                      201111019A
                  報告書区分
                      総括
                  研究課題名
                      細胞特異的・高効率なsiRNA送達法の開発と難治性肝疾患治療への展開
                  研究課題名(英字)
                      -
                  課題番号
                      H22-低侵襲・若手-004
                  研究年度
                      平成23(2011)年度
                  研究代表者(所属機関)
                      川上 茂(京都大学 薬学研究科)
                  研究分担者(所属機関)
                      
                  研究区分
                      厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(医療機器[ナノテクノロジー等]総合推進研究)
                  研究開始年度
                      平成22(2010)年度
                  研究終了予定年度
                      平成24(2012)年度
                  研究費
                      5,000,000円
                  研究者交替、所属機関変更
                      -
                  研究報告書(概要版)
研究目的
            肝星(伊東)細胞を標的とした高効率DDSを開発し、siRNA送達法の確立を通じて、難治性肝疾患に対する新規治療法開発を目指す。
      研究方法
            肝星細胞に発現するマンノース6リン酸 (M6P) レセプターに認識させるための認識素子をリポソーム表面提示させるためM6P修飾脂質(M6P-Chol)を用いて、M6P修飾リポソームを新たに調製した。また、M6Pレセプターが高発現するB16BL6細胞を用いて、放射標識M6P修飾リポソームの細胞取り込み機構の解析を行った。また、siRNA送達用キャリアとして静電的相互作用を介して複合体を形成させるため、M6P修飾カチオン性リポソームを用いてsiRNA(gp46)との複合体を調製した。さらに、M6Pレセプターとgp46を発現するNRK細胞を評価系として用い、M6P修飾カチオン性リポソーム/siRNA(gp46)複合体によるgp46の遺伝子ノックダウン効果を定量的PCR法により評価した。
      結果と考察
            肝星細胞に発現するMan6Pレセプターに認識させる認識素子として、Man6P修飾脂質の合成を行い、Man6P修飾リポソームの調製を行った。また、Man6P修飾リポソームがMan6Pレセプターを介して、同レセプターを高発現するB16BL6細胞内に結合・取り込まれ、B16BL6細胞結合量はM6P-chol含有量15%で最大になった。そこで、ヒトHSP47のラットホモログであるgp46を標的するsiRNAsiRNAとの複合体調製が可能なMan6P修飾カチオン性リポソーム/siRNA複合体の調製を新たに行い、複合体の形成を確認した。M6P受容体を発現するNRK細胞を用いた評価では、Man6P修飾カチオン性リポソーム/siRNA複合体において、リポソームのMan6P脂質含量が15, 20(mol)%において有意なノックダウン効果を得ることができた。
      結論
            肝星(伊東)細胞を標的としたsiRNAのDDSとして、Man6P修飾リポソームを開発し、Man6Pレセプター介在性エンドサイト―シスを利用した細胞取り込みを確認した。また、Man6P修飾カチオン性リポソーム/siRNA (gp46)複合体は、Man6Pレセプター、gp46を発現するNRK細胞において、Man6P脂質含量が15, 20(mol)%において有意なノックダウン効果を得ることに成功した。
      公開日・更新日
公開日
          2012-08-13
        更新日
          -