生分解性マイクロニードルを応用した画期的「貼るワクチン製剤」の開発と実用化に資する研究の総合的推進

文献情報

文献番号
201110028A
報告書区分
総括
研究課題名
生分解性マイクロニードルを応用した画期的「貼るワクチン製剤」の開発と実用化に資する研究の総合的推進
課題番号
H23-創薬総合・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岡田 直貴(国立大学法人大阪大学 大学院薬学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 小豆澤 宏明(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬総合推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
独自に開発した生分解性マイクロニードル (MicroHyala; MH) を基材とするインフルエンザ経皮ワクチン製剤の開発に向けた基礎情報収集と基盤技術熟成を図る。また、ヒトにおける本製剤の安全性と有効性を検証する臨床研究を実施することによって、経皮ワクチン製剤の治験・製品化研究への移行期間の短縮に焦点を当てる。さらに、Toll様受容体リガンド (TLR-L) を中心に経皮ワクチン製剤用のアジュバントとして有望な候補物質の探索を推進し、抗原特異的IgG抗体産生(体液性免疫応答)の誘導のみならず細胞性免疫応答および粘膜免疫応答の活性化をも達成できる未来型インフルエンザ経皮ワクチン製剤の創出に取り組む。
研究方法
1. 様々な組成、針長、針形態、抗原装填法のMH試作品を作製し、皮膚刺入特性、針強度、抗原含有量、ワクチン効果、安全性を評価した。
2. インフルエンザHA抗原を装填したMHの有効性・安全性を動物実験において検証した。
3. MHのヒトにおける安全性を検証する臨床研究を健康男性20人を対象に実施した。
4. 抗原とともに各種TLR-Lを装填したMHの免疫誘導効果を検討した。
結果と考察
1. 臨床研究や将来的な製品開発を見据えたMHの最適化を図った。
2. HA抗原装填MHを用いた経皮ワクチンにより感染防御効果が得られた。
3. ヒト皮膚に対してMHは重篤な皮膚局所反応・全身性副作用を示すことなく、針部が角質層下の生きた表皮組織に到達していることを確認した。
4. MPLAとODN1826に抗原特異的抗体の産生増強効果が認められた。
結論
1. MHの経皮ワクチンデバイスとしての有利性を実証した。
2. MHを応用したインフルエンザ経皮ワクチン製剤の有効性・安全性を明らかにした。
3. MHがヒトに安全に適用できることを実証した。
4. 経皮ワクチン製剤用アジュバントの候補物質としてMPLAとODN1826を見出した。

公開日・更新日

公開日
2012-08-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
201110028Z