文献情報
文献番号
201110023A
報告書区分
総括
研究課題名
疾患研究のための生物資源の所在情報データベース等の構築と維持と関連する政策・倫理課題の研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-創薬総合・指定-016
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
増井 徹(独立行政法人 医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部)
研究分担者(所属機関)
- 宮本 恵宏(国立循環器病研究センター 予防健診部)
- 加藤 規弘(国立国際医療研究センター 研究所 遺伝子診断治療開発研究部)
- 後藤 雄一(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第二部)
- 山崎 由紀子(国立遺伝学研究所 生物遺伝資源情報総合センター・系統情報研究室)
- 山田 靖子(国立感染症研究所 動物管理室)
- 松田 潤一郎(医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部 疾患モデル小動物研究室)
- 金井 弥栄(国立がん研究センター 分子病理分野)
- 恒松 由記子(こども教育宝仙大学 こども教育学部)
- 山田 弘(医薬基盤研究所 トキシコゲノミクスインフォマティクスプロジェクト)
- 水口 賢司(医薬基盤研究所 バイオインフォマティクスプロジェクト)
- 坂手 龍一(医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部 難病資源研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬総合推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
18,999,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
ヒト疾患研究資源の所在情報を含む疾患関連データベース群の統合・構築・公開・維持についての調査研究を行うと同時に、患者と研究者、企業と研究者、また研究者同士の利害調整という政策・倫理的課題を調査研究し、円滑な疾患研究環境の整備を目指す。また、One Stopのデータベース構築による生物資源バンクの活性化と試料等の流通における課題克服についての政策的な提案を行う。
研究方法
1.国内外のバイオバンクの動向を調査研究し、その成果を医薬基盤研究所(基盤研)の活動と難病研究資源バンク研究倫理審査委員会の運営に活かす。 2.国立高度専門医療研究センター6機関(6NC)のバイオバンクワーキンググループの検討活動を通じて、基盤研とのネットワーク型連携を図る。 3.基盤研の疾患研究に関わる8データベース統合化をさらに整備する。また、疾患モデル動物の所在情報を収集するための準備を進める。 4.難病・疾患研究に関する、市民、専門家、行政へのアウトリーチ活動を行うことにより、難病バンクへの理解と協力が得られるように普及啓発活動を推進する。
結果と考察
1.難病バンクの運営に提言を行うとともに、各種文書類の作成・改訂を行った。また、国内、国際的な議論の中で研究資源バンク事業のアピールを行い、ルールメイキングの重要性について賛同を得た。 2.6NC の中央バイオバンクが国立国際医療研究センターに設置されることが承認され、本研究代表者がバイオバンク推進室長及び中央バイオバンク管理室長を委嘱された。 3.海外の調査研究から英国国立がん研究所の「研究のための試料と情報:利用方針作成のための雛形」に注目し、その英語・日本語対訳版を刊行した。また、同電子版をホームページに掲載したところ、ユーザーからのアクセス数が顕著に増加した。 4.Indivumed社のH. Juhl博士を招聘し、国内3か所でセミナーを行った。 また、国立がん研究センター、国立精神・神経医療研究センター、筑波大学、千葉大学、千葉がんセンターの研究者の参加を得て、「ヒト生体試料研究会」を設立した。
結論
ヒト疾患研究資源の所在情報データベース構築とその情報が活かされるために必要な試料等の流通枠組みの政策・倫理面での研究を行っている。その成果が徐々に浸透し、日本の生物資源事業全体に良い影響を与えつつある。本研究事業の成果が広く利用されるように、さらなる整備事業を実施し、対外的な広報活動を充実させたい。
公開日・更新日
公開日
2012-07-02
更新日
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