優良形質を持った薬用植物新品種の育成及びそれら種苗の安定供給体制構築のための保存,増殖に関する基盤的研究

文献情報

文献番号
201110022A
報告書区分
総括
研究課題名
優良形質を持った薬用植物新品種の育成及びそれら種苗の安定供給体制構築のための保存,増殖に関する基盤的研究
課題番号
H22-創薬総合・指定-015
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
飯田 修(独立行政法人 医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター種子島研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 川原 信夫(独立行政法人 医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター筑波研究部)
  • 渕野 裕之(独立行政法人 医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター筑波研究部)
  • 吉松 嘉代(独立行政法人 医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター筑波研究部)
  • 熊谷 健夫(独立行政法人 医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター筑波研究部)
  • 菱田 敦之(独立行政法人 医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター北海道研究部)
  • 杉村 康司(独立行政法人 医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター種子島研究部)
  • 河野 徳昭(独立行政法人 医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター筑波研究部)
  • 林 茂樹(独立行政法人 医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター北海道研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬総合推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
16,876,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究目的:薬用植物の国内栽培生産を促進し、品質が均一で生産履歴の明確な生薬を医療の場へ安定して供給するため、薬用品種の育成、育成品種種苗の保存及び効率的増殖法に関する研究を行った。
研究方法
研究方法:
1)新品種の育成に関する研究:(独)医薬基盤研で育成した品種ハトムギ‘北のはと’、‘はとろまん’及びシャクヤク‘べにしずか’の普及と生産栽培指導、次期新品種候補のシャクヤク、カンゾウ、ハトムギの選抜、特性調査及び増殖、ナイモウオウギ種子への直接遺伝子導入法、カンゾウ属植物とハトムギの系統識別可能なDNAマーカーの検索を検討した。2)種苗の保存に関する研究:発芽試験法及び培養苗由来の再生植物体形質変異を検討した。3)種苗の効率的増殖法に関する研究:組織培養による効率的増殖法の確立、種子繁殖が困難な植物の増殖法及び農薬の適正使用法を検討した。
結果と考察
結果と考察:
1)ハトムギ‘北のはと’は北海道で、‘はとろまん’は埼玉県で生産栽培を行った。シャクヤク‘べにしずか’の実証栽培を開始した。選抜育成したシャクヤクは高収量性、高さび病抵抗性、カンゾウはグリチルリチン高含有、ハトムギは耐寒・耐乾性の特性を持つ。ナイモウオウギ種子へのsGFP遺伝子の直接導入に成功した。DNAマーカーによる系統識別では、カンゾウはグリチルリチン生合成酵素遺伝子の塩基配列により識別が可能であった。ハトムギでは葉緑体DNAについて検討した。2)キバナオウギ等10種の発芽試験の最適設定温度、及びセンキュウ、ウコン、ショウガの培養苗由来再生植物体の特性と生育を明らかにした。3)オケラ属2種、コガネバナ、ショウガの組織培養による増殖法の確立と成長良好なクローンを選抜した。ゴシュユ、カギカズラ等の効率的増殖法、さらにキバナオウギの種子消毒とシソ栽培の殺菌剤処理法を明らかにした。
結論
結論:
1)育成品種のハトムギとシャクヤクの普及を推進した。次期新品種候補のシャクヤク、カンゾウ及びハトムギの選抜と育成を行った。ナイモウオウギ種子への直接遺伝子導入に成功した。カンゾウとハトムギのDNAマーカーによる系統識別技術を検討した。2)10種の発芽試験の最適温度条件、センキュウ等3種類の培養苗由来再生植物体の特性と生育を明らかにした。3)オケラ属等4種の組織培養による増殖法の確立、ゴシュユ、カギカズラ等の効率的増殖法、キバナオウギとシソの殺菌剤の適正使用法を明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2012-07-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201110022Z