Claudinを標的とした創薬基盤技術の開発

文献情報

文献番号
201109008A
報告書区分
総括
研究課題名
Claudinを標的とした創薬基盤技術の開発
課題番号
H23-政策探索・一般-008
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 昌夫(国立大学法人 大阪大学 大学院 薬学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 八木 清仁(国立大学法人 大阪大学 大学院 薬学研究科)
  • 國安 弘基(奈良県立医科大学)
  • 深澤 征義(国立感染症研究所)
  • 國澤 純(東京大学医科学研究所)
  • 岡田 欣晃(国立大学法人 大阪大学 大学院 薬学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(政策創薬探索研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
昨今の上皮細胞生物学の進展により、タイトジャンクションシール機能を担う分子として、4回膜貫通蛋白質claudin(CL)が同定され、非侵襲性投与法、上皮がんターゲティング法、粘膜ワクチン、C型肝炎ウイルス(HCV)感染阻害法、薬物の血液脳関門透過法開発の可能性が示唆されている。しかしながら、CLは抗原性が低い上に立体構造が解析されておらず、CL binderの創製は著しく立ち遅れており、CLを標的とした創薬研究は遅々として進展していない。現在までに申請者は、CL-4 binderを用いたバイオ医薬の経粘膜吸収促進技術、癌ターゲティング法、粘膜ワクチン技術を先駆けて確立し、CLを標的とした創薬基盤として出芽バキュロウイルス(BV)を利用したCL蛋白質発現系を用いたCL binderスクリーニング系を構築した。上述した背景を踏まえ本研究では、CLを標的とした創薬基盤技術の創出を目指す。
研究方法
CL binderのスクリーニングに資する各種CL提示BV、各種CL発現細胞を作製し、既存の広域CL binderを用いてCL結合性を解析した。さらに、CL提示BV、CL欠損マウス、自己免疫疾患マウスなどを用いて、CL scFvファージライブラリなどの作製を試みた。
結果と考察
CL binderスクリーニングに資する各種CL提示BVおよびCL発現細胞を創製し、広域CL binderを用いたELISAおよびFACSによりCL結合性を確認し、CL-1, CL-4, CL-5結合性評価系を確立した。CL提示BVをCL欠損マウス、自己免疫疾患マウスに免疫したところ、CLに対する抗体価の上昇が観察された。そこで、当該マウスから脾臓を回収し、scFv提示ファージライブラリを作製した。さらに、がん組織におけるCL発現、粘膜免疫組織における抗原取込み機構の解析、血管内皮バリア解析に向けた基礎的知見の集積を図った。
結論
以上、現在までの検討により、CL binder創製に向け、CL binderスクリーニング系を確立し、各種scFvライブラリの構築に成功した。現在、当該ライブラリの最適化を進めると同時に、抗体作製のバックアップ実験なども並行して進めている。今後は、引き続き、CL binder創製システムの構築および最適化、がん・ワクチン・感染症・DDSへの応用に向けた基礎的知見の集積を図る予定である。

公開日・更新日

公開日
2012-07-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201109008Z