生体親和性材料によるナノ表面処理を用いた画期的な人工膝関節の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201109007A
報告書区分
総括
研究課題名
生体親和性材料によるナノ表面処理を用いた画期的な人工膝関節の開発に関する研究
課題番号
H23-政策探索・一般-007
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
茂呂 徹(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 中村 耕三(東京大学 医学部附属病院 )
  • 川口 浩(東京大学 医学部附属病院 )
  • 石原 一彦(東京大学大学院 工学系研究科)
  • 村上 輝夫(九州大学 工学研究院)
  • 宮本 比呂志(佐賀大学 医学部)
  • 塙 隆夫(東京医科歯科大学 生体材料工学研究所)
  • 中川 匠(東京大学 医学部附属病院 )
  • 岡 敬之(東京大学 医学部附属病院 )
  • 京本 政之(日本メディカルマテリアル)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(政策創薬探索研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
36,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、生体親和性に優れたMPCポリマー(PMPC)のナノ表面処理技術を応用し、耐久性と抗感染能に優れた画期的な人工膝関節を開発することである。
研究方法
今年度は、①摺動面材料の検討、②荷重支持性の検討、③摩耗抑制効果の検討、④抗感染性の検討、を行った。
結果と考察
摺動面材料の検討では、機械特性と物理特性から評価し至適超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)レジンがGUR1020であることを明らかにするとともに、次年度の研究に備え、各種の架橋UHMWPEに対するPMPC処理効果の検討を開始した。した。また、表面損傷による異常摩耗を防ぐため、超硬質表面化コバルトクロム(CoCr)合金を創出した。
荷重支持性の検討では、ローラーオンフラット型摩擦試験機を用いて、接触面圧、摺動速度、表面粗さおよび潤滑液成分を変化させたときの摩擦係数を計測し、PMPC処理による水和潤滑ゲル層の潤滑モードを評価した。
摩耗抑制効果の検討では、上述の至適UHMWPEレジンを用い、種々の照射線量により架橋されたPEの摩耗抑制効果を、手術後の歩行を再現する膝関節シミュレーターを用い検討した。重量変化による摩耗量の測定、摺動面の解析(三次元解析装置、SEM、走査型レーザー顕微鏡)、潤滑液中の摩耗粉の回収及び解析による摩耗動態の分析、などにより、架橋処理による摩耗抑制効果を確認した。
抗感染性の検討では、まず金属表面のPMPC処理について、溶液濃度・処理時間等の至適条件を確立した。また、次年度以降の検討に備え、金属表面へのタンパク質吸着を評価する実験系を確立した。
結論
以上の研究成果は、生体親和性材料によるナノ表面処理を用いた画期的な人工膝関節の開発を推進しうるものであり、革新的な人工膝関節の臨床応用が期待できる内容であった。

公開日・更新日

公開日
2012-07-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201109007Z