複数の作用メカニズムを同時に発現する革新的抗がん剤の開発

文献情報

文献番号
201109003A
報告書区分
総括
研究課題名
複数の作用メカニズムを同時に発現する革新的抗がん剤の開発
課題番号
H23-政策探索・一般-003
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
椎名 勇(東京理科大学 理学部)
研究分担者(所属機関)
  • 中田健也(東京理科大学 理学部第一部応用化学科 )
  • 池北雅彦(東京理科大学 理工学部応用生物学科)
  • 吉見陽児(東京理科大学 理工学部応用生物学科)
  • 森田明典(広島大学 原爆放射線医科学研究所放射線災害医療研究センター)
  • 長原礼宗(東京電機大学 理工学部理工学科)
  • 矢守隆夫(公益財団法人 がん研究会がん化学療法センター分子薬理部)
  • 水上民夫(長浜バイオ大学 バイオサイエンス学部バイオサイエンス学科)
  • 長谷川慎(長浜バイオ大学 バイオサイエンス学部バイオサイエンス学科)
  • 深澤秀輔(国立感染研究所 生物活性物質部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(政策創薬探索研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
46,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本事業においては、東京理科大学椎名研究室が有する有機合成技術を活用して様々な「リダイフェン」類を供給し、これらの構造薬理活性相関の調査を通じて新薬のリード化合物を探索する。さらに、薬理活性を発現した新規人工抗がん剤のビオチン化を順次行ない、これらを分子プローブとして会合タンパクの同定を行なうことによって生体内での隠された作用メカニズムを解明し、革新的な分子標的型治療法の開発を最終的な目標とする。
研究方法
平成23年度(初年度)は「リダイフェンB」の新しい類縁体である構造改変型および構造欠損型リダイフェン類(「リダイフェンSB(RID-SB)」シリーズ)の調製に取り組み、これを実現する。また、入手した化合物の浮遊性がん細胞株を用いた抗腫瘍活性試験、39系統固形がん細胞を用いた抗腫瘍活性試験、エストロゲン非保有白血病細胞を用いた抗腫瘍活性試験、放射線併用下での抗腫瘍活性試験、プロテアソーム阻害活性試験、抗C型肝炎ウイルス活性試験、抗がん剤候補化合物の細胞内標的分子の探索を並列して実施する。
結果と考察
芳香族アルデヒド、アリル型求核剤および芳香族求核剤を組み合わせ用いる3成分連結反応、あるいは芳香族化合物と炭素求核剤の2成分カップリングを用いることで「リダイフェンB」の新しい類縁体である構造改変型リダイフェン類(「リダイフェンSB(RID-SB)」シリーズ)の調製に成功し、これらの大量合成法を確立した。また、入手した化合物の機能解析を通じて従来最も活性の高かったリダイフェンBを越える作用を示す分子を発見することができた。平成24年5月1日にこの特許申請を完了し、現在は作用メカニズムの解明に向けて共同研究者が検討を続けている。
結論
新規3成分連結反応、あるいは2成分カップリングによって「リダイフェンB」の新しい類縁体である構造改変型リダイフェン類(「リダイフェンSB(RID-SB)」シリーズ)の調製に成功し、これらを大量に供給する手段を確立した。また、入手した化合物の浮遊性がん細胞株を用いた抗腫瘍活性試験、39系統固形がん細胞を用いた抗腫瘍活性試験、およびエストロゲン非保有白血病細胞を用いた抗腫瘍活性試験等を実施したところ、これまで最も活性の高かったリダイフェンBを越える作用を示す分子を発見することができた。

公開日・更新日

公開日
2012-07-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201109003Z