国内未承認エイズ治療薬等を用いたHIV感染症治療薬及びHIV感染症至適治療法の開発に係る応用研究

文献情報

文献番号
201108025A
報告書区分
総括
研究課題名
国内未承認エイズ治療薬等を用いたHIV感染症治療薬及びHIV感染症至適治療法の開発に係る応用研究
課題番号
H22-政策創薬・指定-018
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
福武 勝幸(東京医科大学 医学部・臨床検査医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 青木 眞(東京医科大学 医学部・臨床検査医学講座)
  • 味澤 篤(東京都立駒込病院 感染症科)
  • 岩本 愛吉(東京大学 医科学研究所)
  • 菊池 嘉(国立国際医療研究センター)
  • 篠澤 圭子(東京医科大学 医学部・血液凝固異常症遺伝子研究寄附講座)
  • 白阪 琢磨(国立病院機構大阪医療センター)
  • 藤井 輝久(広島大学 医学部)
  • 花房 秀次(荻窪病院)
  • 三間屋 純一(静岡県熱海健康福祉センター 熱海保健所)
  • 山元 泰之(東京医科大学 医学部・臨床検査医学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(政策創薬総合研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
131,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本のHIV感染者の数は欧米と比較すると非常に少ないが、今なお増加を続けており強い危機意識をもって臨まなければならない。HIV感染の病態は放置すれば進行性であり、治療が遅れると様々な合併症が出現して予後不良となる。近年の治療薬の進歩により適切な治療を行えれば予後は劇的に改善する。ただし、治療薬はまだ未成熟なものが多く副作用などの重大な問題も多い。また、合併症の治療には国内未承認の薬剤が必要である。HIV感染症の治療薬の国内への迅速な導入と未承認薬の開発は感染者の生命を守るために重要であり、本研究には感染者の適切な治療を確保する人道的な役割がある。
研究方法
本研究は平成8年度に厚生省薬務局研究開発振興課との協力により、HIV感染症及びエイズとその症随伴状の治療を日本の臨床現場に迅速に導入するための一つの方策として開始された。日本で未承認の治療薬のうち、専門医が日本に必要と考えた薬剤を研究代表者が医師個人輸入により輸入して、海外の承認条件に基づいて治療に応用し治療成績を収集し、薬剤の緊急導入を可能にすると同時に至適治療法の開発を目指している。
結果と考察
情報公開のためホームページを有し、アクセスは既に660、000件を超えた。平成8年4月1日から平成24年2月29日までに、延べ3,580例へ、9,072回の薬剤送付(IFNを除く)が行われた。本年度(2月29日まで)の申請は患者数延べ351例であり、薬剤送付件数は888件であった。本年度の患者数、年間供給件数はMepronの需要が急速に高まったことにより増加した。トキソプラズマ症とニューモシスチス肺炎では国内承認薬が不足している。疾患別の症例数はHIV感染症32例、ニューモシスチス肺炎169例、トキソプラズマ症43例、母子感染予防25例、カポジ肉腫8例であった。カポジ肉腫の第一選択薬であるドキシルに抵抗性を示す症例があり、米国で承認されているパクリタキセルを用いた臨床試験を開始した。また、カポジ肉腫の治療薬であるドキシルの供給困難が発生し、限られた薬剤の効率的利用のため当研究班が当面の供給窓口として機能することになった
結論
治療に未承認薬が必要な症例に有効な治療を提供した。多くのHIV随伴症の治療薬では症例数が少ないため治療成績の評価には長期間が必要と考えられる。本研究はHIV感染症に係る適切な治療の発展のために重要で、継続的な活動が必要である。

公開日・更新日

公開日
2012-07-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201108025Z