ヒト胚性幹細胞をドナー細胞とする再生医療の汎用性向上のための基盤技術の創成

文献情報

文献番号
201106015A
報告書区分
総括
研究課題名
ヒト胚性幹細胞をドナー細胞とする再生医療の汎用性向上のための基盤技術の創成
課題番号
H23-再生・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
梅澤 明弘(独立行政法人国立成育医療研究センター 生殖・細胞医療研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤 陽治(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 末盛 博文(京都大学再生医科学研究所)
  • 秦 順一(独立行政法人国立成育医療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療実用化研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ヒト由来の多能性幹細胞、すなわち間葉系幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)について、近い将来に予想される製品の評価を円滑に進めるための準備を早期に行う必要がある。各種幹細胞の実用化のために必要な要件を開発初期から示すことは、これらをより迅速に実用化するために必須である。「細胞・組織加工医薬品等の品質及び安全性の確認申請記載要領(薬食審査発0420第1号平成22年4月20日)」に従い、ES細胞の安全性・有効性に関する検討を行う。
研究方法
B-1 原材料及び製造関連物質、製造工程、 加工した細胞の特性解析
臨床試験研究に提供できる新たなES細胞の培養を行う。特に、幹細胞を未分化状態に保つための維持培養に必須の要素について検討を行う。

B-2 細胞・組織加工医薬品の非臨床安全性試験
ヒトES細胞株に関して感染症について検査し、否定試験を行う。

B-3 ヒトES製剤の製造方法
ヒトES製剤の製造方法について検討を行う。
結果と考察
再生医療における細胞の供給源として、胚性幹細胞(ES細胞)、組織幹細胞、人工多能性幹細胞(iPS細胞)があげられる。これらの原料細胞は、従来まで同じ指針のもとで運用されてきたが、細胞性状が多岐に渡るため、個別の指針として運用することが現実的であるという提言がなされ、現在、我が国の研究開発がその方向で進みつつある。
結論
ES細胞自体を生体内マイクロデバイスとして利用する新たな治療戦略を現実するために必要なステップとして、1) 原材料及び製造関連物質の明確化(体外受精胚の起源・選択理由の明示、ドナー選択の倫理的妥当性、培養方法、培養材料の明示等)、2) 製造工程の明確化、3) 最終製品の品質管理法の確立がある。このような世界的な状況の中で、ヒトES細胞の維持および可塑性の分子基盤を明確にすることを目指し、その評価・検証システムの元にES細胞の提供までを視野に入れた「ヒト胚性幹細胞をドナー細胞とする再生医療の汎用性向上のための基盤技術開発」は再生医療促進にとって必要不可欠なものであり、速やかな確立が必要である。

公開日・更新日

公開日
2012-07-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201106015Z