文献情報
文献番号
201106013A
報告書区分
総括
研究課題名
自己骨髄間質細胞を用いた歯槽骨再生医療の臨床研究
課題番号
H23-再生・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
各務 秀明(東京大学 医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 長村(井上)登紀子(東京大学 医科学研究所)
- 東條有伸(東京大学 医科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療実用化研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
自己骨髄間質細胞を用いた新たな歯槽骨再生治療法の安全性と有効性のエビデンス創出し、薬事法下での実用化を目指した第Ⅰ相/第Ⅱa相臨床研究を実施する。特に先行する臨床研究によって得られた課題について検討し、実用化に向けて改良された細胞調製法による歯槽骨再生の効果を先行する臨床試験の結果と比較する。
研究方法
歯槽骨萎縮症患者を対象として、顆粒状の担体に対して最適化された自家骨髄間質細胞の培養、分化誘導条件を用いて、この移植材料(以下「培養骨」)の安全性と歯槽骨再生能を評価する。第Ⅰ相試験における主要エンドポイントは安全性、副次エンドポイントは骨生検における骨形態計測量、第Ⅱa相試験における主要エンドポイントは骨生検における骨形態計測量、副次エンドポイントは、安全性、頭部CT撮影画像から得られた骨形成量、インプラントのオッセオインテグレーション、インプラントの脱落とする。第Ⅰ相(15例)、第Ⅱa相として10例を含む25例で評価。
結果と考察
細胞調製体制の整備:平成23年4月学内における最終承認後、テストランを行った。また、細胞調製および品質管理にかかわる人材を新たに雇用し、細胞調製施設の維持管理、細胞調製、評価に関するトレーニングを実施した。テストラン、新規採用の人材教育を行ったうえで、平成23年8月より被験者のリクルートを開始した。これまでに21名の参加希望者が来院され、口腔状態、歯槽骨の残存骨量、および全身状態など選択基準と除外基準に鑑み、8名が候補として選択された。平成23年10月の第1回症例検討会にて2例、平成23年12月の第2回症例検討会にて3例の検討を行い、内4名は承認、1名は条件付き承認となった。また、3名は今後継続して検討のうえ、今後審議予定である。平成23年度中には1例、現在までに3例の被験者へ細胞移植が行われ、これまで有害事象は見られていない。
結論
現在まで細胞移植が行われた3症例においては細胞の増殖は得られており、細胞数不足や感染など品質の問題による中止はない。また、これまでのところ細胞移植による有害事象はなく、安全性に関する問題は生じていない。細胞移植の効果については平成24年7月より評価の予定である。
公開日・更新日
公開日
2012-06-29
更新日
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