文献情報
文献番号
201105017A
報告書区分
総括
研究課題名
医療経済評価の政策応用とガイドライン開発に関する予備的研究
課題番号
H23-特別・指定-016
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
福田 敬(国立保健医療科学院)
研究分担者(所属機関)
- 下妻 晃二郎(立命館大学)
- 池田 俊也(国際医療福祉大学)
- 坂巻 弘之(名城大学)
- 能登 真一(新潟医療福祉大学)
- 五十嵐 中(東京大学)
- 白岩 健(立命館大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
6,030,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、諸外国における医療経済評価ガイドラインおよび評価方法に関する調査を行い、国内での医療経済評価研究での課題を踏まえて、日本版医療経済評価ガイドラインを検討する際の課題や論点を整理することを目的とした。
研究方法
医薬品以外の医療技術や医療機器等に関する評価の状況を中心にイギリス、オーストラリア、フランスの調査を行った。また、諸外国の経済評価ガイドラインや国内でこれまでに提案されたガイドライン等を参考に、日本で医療経済評価を政策に応用するための経済評価ガイドラインを検討する際の項目や各項目の内容のオプション、課題等を整理した。既存の日本の経済評価研究における課題を踏まえ、理論的・手法論的に適切であると同時に、日本のデータの利用可能性などの実情を踏まえた実践的なガイドラインの開発を考慮した。
結果と考察
イギリスではNICEにおいて、医療経済評価を含む医療技術評価を行っている。主に医薬品については、TAというしくみで対応しているが、医薬品以外の医療技術等についてはIPP、MTEP、DAPの3つのしくみで評価が行われている。フランスでは、HASが医療技術評価を行っており、2008年に経済・公衆衛生専門委員会が新設され、医療経済評価を盛り込めるようになった。医療技術評価による医療技術や医薬品等の保険償還の推奨、診療ガイドラインの作成、医療機関・医師の認定制度の運営などを行っている。オーストラリアでは、医薬品の評価に関しては、PBACで1993年より経済評価を実施している。医薬品以外の医療技術や医療機器に関しては、MSACで対応している。
また、医療経済評価ガイドラインの検討に向けて、諸外国のガイドラインおよび国内でこれまでに提案されたガイドライン等を参考に、論点や課題の整理い、特に今後の検討が必要な項目として、比較対照の設定、分析の立場と費用の範囲、効果指標、割引率、分析期間、等が挙げられた。また、データの収集方法や海外データの取り扱いも課題として挙げられた。
また、医療経済評価ガイドラインの検討に向けて、諸外国のガイドラインおよび国内でこれまでに提案されたガイドライン等を参考に、論点や課題の整理い、特に今後の検討が必要な項目として、比較対照の設定、分析の立場と費用の範囲、効果指標、割引率、分析期間、等が挙げられた。また、データの収集方法や海外データの取り扱いも課題として挙げられた。
結論
イギリスやオーストラリアでは、医薬品以外の医療技術や医療機器等についても医薬品の評価と類似した取り組みが行われているが、若干異なる部分もあり、日本での取り組みを検討する際にも参考になると考えられた。医療経済評価のガイドラインの検討のための論点・課題の整理では、今後の議論の際に必要と考えられる課題が明らかとなった。
公開日・更新日
公開日
2015-06-29
更新日
-