災害時における児童福祉職員の派遣システム及び児相福祉活動に関する研究

文献情報

文献番号
201105012A
報告書区分
総括
研究課題名
災害時における児童福祉職員の派遣システム及び児相福祉活動に関する研究
課題番号
H23-特別・指定-014
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
才村 純(関西学院大学人間福祉学部)
研究分担者(所属機関)
  • 芝野 松次郎(関西学院大学人間福祉学部)
  • 小野 セレスタ 摩耶(滋慶医療科学大学院大学)
  • 前橋 信和(関西学院大学人間福祉学部)
  • 伊藤 嘉余子(埼玉大学教育学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
災害時における児童相談所(児相)の業務は、震災遺児・孤児の派遣と保護、災害前より支援してきた家族の把握、被災した子どもの中長期的な心のケアなど多岐に亘り、その量は膨大となる。しかし、東日本大震災では、被災地の児相の機能が不全状態に陥ったため、全国の児相から応援スタッフが派遣されたが、現地の指揮命令系統が混乱していたこともあり、当初の目的を十分に果たし得なかったことが指摘されている。今後、大規模な災害が発生し、被災地の児相の機能が損なわれた場合、より迅速かつ効果的な支援体制の確保に資するため、東日本大震災の経験を十分踏まえたガイドラインを策定するものである。
研究方法
被災地の児相及び職員派遣を行った児相、避難者を受け入れた児相を対象に、支援の実態や課題に関するアンケート調査(全国調査)を実施するとともに、より詳細な実態・課題把握を行うため、被災地の児相9か所、多数の職員派遣を行った児相7か所を対象に訪問によるヒアリング調査を実施した。そして、これらの結果を踏まえ、災害時における児相の業務体制、災害時における児相の福祉活動、情報管理、災害時に活用する各種帳票、支援者へのサポート体制、平常時の備えおよび研修などを盛り込んだガイドライン(案)を作成した。
結果と考察
アンケート及びヒアリング調査等の結果、種々の課題が浮かび上がったが、以下はその一部である。
・被災地児相と応援派遣児相との意思疎通が必ずしも円滑にできない場面が多く、国の調整活動にさらなる工夫と配慮が必要。
・個々のスタッフの派遣期間が短く、頻繁なオリエンテーション等被災地側の負担が大きい上、住民との関係性に支障。同じ児相から同じスタッフが継続的に派遣されるシステムづくりが必要。
・障害児への支援や心のケアなどが不十分。
・マスコミの取材が集中して里親や子どもたちが疲弊するケースが多かったので、マスコミ対応をガイドラインに盛り込む必要。
・避難所訪問や巡回保育等を通して要保護児童を発見する「アウトリーチ型支援活動」に関するスキルアップ研修の必要性。
結論
本調査研究で明らかになった課題を踏まえ、発災直後から被災後1年以上までをいくつかのフェーズに分け、各フェーズごとに対応上の留意点やノウハウ等を示した「災害時における児童相談所職員の派遣および児童相談所の活動ガイドライン(案)」を作成した。

公開日・更新日

公開日
2015-06-11
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201105012C

収支報告書

文献番号
201105012Z