文献情報
文献番号
201105002A
報告書区分
総括
研究課題名
東日本大震災被災者の健康状態等に関する調査
課題番号
H23-特別・指定-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
林 謙治(国立保健医療科学院)
研究分担者(所属機関)
- 金谷 泰宏(国立保健医療科学院 健康危機管理研究部)
- 曽根 智史(国立保健医療科学院 国際協力研究部)
- 武村 真治(国立保健医療科学院 健康危機管理研究部)
- 奥田 博子(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
- 徳留 信寛(国立健康・栄養研究所)
- 小川 彰(岩手医科大学)
- 坂田 清美(岩手医科大学 医学部衛生学公衆衛生学)
- 辻 一郎(東北大学大学院医学系研究科地域保健支援センター)
- 安村 誠司(福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
300,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
東日本大震災の被災者の健康管理のために必要な対応を図るのみならず、長期にわたり被災者の健康状態や環境の状況を把握していくこと(コホート調査)を目的としており、あわせて被災者の健康状態等について自治体が迅速に把握できる情報基盤の構築を図るものである。
研究方法
各分野の専門家からなるアドバイザリーグループにより調査方式、進捗状況を統括し、共通の指標にて情報を収集、解析、評価できる体制を構築した上で、被災県を代表する調査チームによって各県の現状に合わせた調査を実施した。
結果と考察
今年度は、発災後10年間のコホート研究に向けた調査手法を構築したものであり、発災後6ヶ月を経過した時点での被災者の健康状態については、血圧、血液検査という視点からは、大きな影響は認められなかった。しかしながら、睡眠障害・心理的苦痛が全国平均より有意に高い状態にあり、その要因として震災後の転居回数、経済状況、失業の有無が密接に関与していることが明らかにされた。また、今後の震災への対応を検討するにあたり、医療ITの活用、在宅医療支援のあり方等について引き続き検討を進める必要がある。大規模災害においては、遺体管理は無視できない問題であり、研究班としてマニュアルを作成することで広く関係者の理解を図った。今年度の研究成果については、研究班会議を公開で行うことで広く関係者の理解を図るとともに、マスメディアを通じて問題提起を行った。
結論
発災後6ヶ月を経過した時点での被災者の健康状態として、血圧、血液検査の視点からは大きな影響は認められなかったが、睡眠障害・心理的苦痛が全国平均より有意に高い状態にあり、その要因として震災後の転居回数、経済状況、失業の有無が密接に関与していることが明らかにされた。
公開日・更新日
公開日
2012-11-22
更新日
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