文献情報
文献番号
201103014A
報告書区分
総括
研究課題名
国際標準化機構(ISO)及び国際電気標準会議(IEC)における医療機器の各種国際規格の策定に関する研究
課題番号
H23-地球規模・指定-003
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
小野 哲章(滋慶医療科学大学院大学 医療管理学研究科 医療安全管理学専攻)
研究分担者(所属機関)
- 松岡 厚子(国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部)
- 配島 由二(国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部)
- 横井 英人(香川大学医学部附属病院 医療情報部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(地球規模保健課題推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
近年、国際市場の拡大に伴い、ISOやIECでは医療機器の性能や試験法等、有効性と安全性に関する各種規格・基準の国際整合化が行われている。一方、我が国の医療機器には品質や性能等の優れた製品が多く存在するが、これらの製品の規格をISO/IEC等に積極的に提案し、日本発の良質な医療機器を国際的に進出させる環境を整備することが、患者の利益、医療機器産業振興、国家戦略として重要な課題となっている。そこで、本研究では、医療機器関係業界と連携を図りつつ、国際的に提案できる基準の選別や原案策定過程への提案を含めて、国家的にサポートする体制の構築について検討し、国際標準化に関する戦略的な考え方を取りまとめ、政策的な提言を行う。
研究方法
平成23年度は当初の計画に基づき、(1)国際的に提案できるJIS及びその他の基準等の検索、(2)発信すべき医療機器・技術・手法の新規提案、(3)現行のISO/IEC規格改良のためのデータ収集と次期改正への提案について検討した。
結果と考察
(1) 国際的に提案できるJIS及びその他の基準等の検索
日本医療器械工業会及び日本歯科商工協会をはじめとした関連団体にヒヤリングを行った。また、ISO/IEC国内審議団体の活動状況や成果等のほか、国際整合を行う上で重要となる事項・要望等をアンケート形式により調査した。
(2) 発信すべき医療機器・技術・手法の新規提案(ケーススタディ)
我が国の新技術及び新機器に関する規格を世界へ発信するための方法の検討には、いくつかの事例を実際に提示することが有益である。そこで本研究では、「歯科用CAD/CAMマシンで作製する修復物の精度に関する新しい評価方法」に関するケースと、「MFERを用いて再構築した18誘導心電図を用いた後壁梗塞の診断能」に関するケースの2つのケーススタディを実施した。
(3) 現行のISO/IEC規格改良のためのデータ収集と次期改正への提案
既存のISO/IEC規格に我が国の新技術を反映するためには、改良の有効性を示す根拠となるデータを収集することが必須である。規格改良手法に関する研究として「ISO/TC194/WG9が担当する医用材料の血液適合性評価のための試験法であるISO 10993-4の改訂作業に伴う溶血性試験/ラウンドロビンテスト」の支援を行った。
日本医療器械工業会及び日本歯科商工協会をはじめとした関連団体にヒヤリングを行った。また、ISO/IEC国内審議団体の活動状況や成果等のほか、国際整合を行う上で重要となる事項・要望等をアンケート形式により調査した。
(2) 発信すべき医療機器・技術・手法の新規提案(ケーススタディ)
我が国の新技術及び新機器に関する規格を世界へ発信するための方法の検討には、いくつかの事例を実際に提示することが有益である。そこで本研究では、「歯科用CAD/CAMマシンで作製する修復物の精度に関する新しい評価方法」に関するケースと、「MFERを用いて再構築した18誘導心電図を用いた後壁梗塞の診断能」に関するケースの2つのケーススタディを実施した。
(3) 現行のISO/IEC規格改良のためのデータ収集と次期改正への提案
既存のISO/IEC規格に我が国の新技術を反映するためには、改良の有効性を示す根拠となるデータを収集することが必須である。規格改良手法に関する研究として「ISO/TC194/WG9が担当する医用材料の血液適合性評価のための試験法であるISO 10993-4の改訂作業に伴う溶血性試験/ラウンドロビンテスト」の支援を行った。
結論
以上のように平成23年度の研究計画は、ほぼ完遂された。今後、アンケート調査と各ケーススタディ等により得られた知見に基づいて、国際標準化に関する戦略的な考え方を取りまとめ、政策的な提言を行う。
公開日・更新日
公開日
2012-06-05
更新日
-