文献情報
文献番号
201102006A
報告書区分
総括
研究課題名
死亡診断書の精度向上に関する診療情報管理士の介入による人的支援の研究
課題番号
H23-統計・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
大井 利夫(社団法人日本病院会)
研究分担者(所属機関)
- 川合 省三(大阪南脳神経外科病院)
- 高橋 長裕(千葉市立青葉病院)
- 松本 万夫(埼玉医科大学国際医療センター)
- 三木 幸一郎(北九州市立医療センター)
- 阿南 誠(独立行政法人国立病院機構九州医療センター)
- 荒井 康夫(学校法人北里研究所北里大学東病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
主治医が死亡診断書に傷病名を記載する際に、ICD-10に定められた記載様式を医師に助言しうる診療情報管理士を人的に介入することが重要と考え、そのための診療情報管理士に対する教育プログラムを策定し、テキストの作成と教育研修会を実施することを目的とした。
研究方法
(1)研修プログラムの決定とテキストの作成:厚生労働省作成の医師向け冊子「ICDのABC」と「死亡診断書記入マニュアル」を参考に、ICD-10第1巻に詳述されている原死因選択ルールに従い、診療情報管理士用として研修プログラムを策定し、担当者を決め、原死因を選び出す仕組と方法等を解説したテキストを作成する。(2)体制の整備:本研究の意義と方法、今後のフィールドテストを含めた研究内容について、病院長及び直接担当する診療情報管理士にその趣旨と目的を説明し依頼する。(3)診療情報管理士への教育:ICD-10に規定されている原死因選択ルールと修正ルール及びわが国における死因分類表について、今回作成したテキストを用いて各研究協力病院の医療現場において適切な死亡診断書記載の助言ができる人材育成を行う。
結果と考察
(1)テキストについては、本研究の背景と死亡診断書の意義、原死因選択ルール、修正ルール、死因分類表と死亡診断書に関する項目から構成され、とくに先行研究で指摘された死亡診断書の精度に影響する要因として病原体の記載をはじめとする11要因を考慮することが重要と考え、執筆者を割当てテキストを作成した(A4サイズ、49ページ)。(2)体制の整備については、全国の臨床研修指定病院(基幹型、1038病院)、DPC対象病院(1449病院)、特定機能病院(83病院)を対象に重複を含め1574病院の院長・理事長に依頼文書を送付し180病院254人の診療情報管理士の同意を得た。(3)教育研修会は、平成24年1月28日(土)日本工学院蒲田キャンパス3号館地階大講義室にて開催し177病院248人の診療情報管理士の参加を得た。講義についてはわかりやすい67%、普通26%であり、テキストについては充実している49%、普通35%と一定の理解が得られたと考えられる。
結論
死亡診断書記載時に助言等の人的関与をしうる診療情報管理士の育成を目的とした教育プログラムを策定し、テキストの作成と体制の整備を行った。さらに、研究協力病院の診療情報管理士を対象とした死亡診断書記載方法に関する教育研修会を開催し、良好な結果を得た。向後、死亡診断書の意義と記載方法に精通した診療情報管理士が死亡診断書記載時に関与することにより、死亡診断書の精度向上が期待される。
公開日・更新日
公開日
2012-05-24
更新日
-