文献情報
文献番号
201102005A
報告書区分
総括
研究課題名
厚生労働統計データの疫学研究への二次的利用と他のヘルスケアデータとの連携について
課題番号
H23-統計・一般-001
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
祖父江 友孝(独立行政法人 国立がん研究センター がん対策情報センター がん統計研究部)
研究分担者(所属機関)
- 岡山明(財団法人結核予防会第一健康相談所)
- 中村好一(自治医科大学(公衆衛生学) 教授)
- 橋本修二(藤田保健衛生大学医学部衛生学講座、医学統計学)
- 山縣然太朗(山梨大学大学院・社会医学講座)
- 安村誠司(福島県立医科大学・ 医学部・公衆衛生学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
厚生労働統計データの疫学研究への二次的利用他と他のヘルスケアデータとの連携についての実態と可能性を検討するため、日本疫学会会員アンケート調査、評価指標と公的統計のマッチング、個人単位照合データを用いた解析を行った。
研究方法
日本疫学会会員名簿に電子メールアドレスの掲載を希望した766人中547人(71.6%)から回答を得た。疾病対策評価指標と公的統計とのマッチングを、「健康日本21」と「健やか母子21」について行った。個人単位での照合データ解析として、人口動態統計死亡とコホート死亡者データとの照合を行って死因を同定した。患者調査・受療行動調査・医療施設静態調査を用いて、個人単位の照合データを用いた解析を行った。解析対象は、入院37,294例、外来88,487例(平成20年、17年、14年合計)として、がん診療連携拠点病院とそれ以外の病院とで患者住所を比較した
結果と考察
統計法33条に基づく個票データについて、利用者割合は2007年調査のそれとほぼ同じであったが、申請から許可までの期間が大幅に短縮した。オーダーメード集計や匿名データの提供について、希望者の割合が約80%と高く、国民健康・栄養調査や国民生活基礎調査を希望する者が多かった。「健康日本21」では、大半の指標が公的統計により計測され、一部に研究班や学会の報告が利用されていたが、県レベルでは、国の公的統計による県値あるいは全国値の利用と、県の独自調査が多かった。「健やか母子21」においては、保健水準指標の70%は公的統計によりで把握できていたが、個人の行動指標は、多くが公的統計では把握できていなかった。人口動態統計との初回照合で3220例中97.4%に死因を結合できた。がん診療連携拠点病院ではそれ以外の病院より、広い地理的範囲から患者が受診している傾向があった。
結論
統計法の改正により申請から許可までの期間は明らかに短くなっており、今後さらなる公的統計の二次利用が期待される。健康施策の立案・評価において、公的統計は大きな役割を果たしており、継続的にモニタリングする仕組みを強化することが重要である。人口動態統計を用いた場合、マッチングのための作業やセキュリティを考慮するとNDI導入によるメリットが大きい。患者調査・受療行動調査・医療施設静態調査の照合データを用いての解析の可能性を明らかにした。
公開日・更新日
公開日
2012-06-11
更新日
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