文献情報
文献番号
201102003A
報告書区分
総括
研究課題名
OLAP(多次元データベース)による医療統計の公表手法開発に関する研究
課題番号
H22-統計・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岡本 悦司(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
研究分担者(所属機関)
- 井伊雅子(一橋大学国際・公共政策大学院)
- 関本美穂(東京大学公共政策大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,119,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
あらゆる統計表はタテヨコ軸のクロス表形式であるが,厖大な統計表を,経年的,傷病別,性・年齢階級別等に迅速に集計する方法としてOLAP(多次元データベース)あるいはデータウェアハウスと呼ばれる技術が近年発展してきた。データベースは特定の個人を検索するものであるが,データウェアハウスとは,個人のデータではなくあくまで集計データを迅速かつ簡易にクロス表として表示させるものであり,企業経営等に盛んに活用されているのでビジネスインテリジェンス(BI)とも呼ばれたりする。医療統計もまさにOLAPのよい適用と考えられ,OLAP化することによって現行のe-STATもいっそう使いやすいものとなることが期待される。また5歳階級ではなく,出生コホート別に時系列分析を行う時系列コホートOLAP化を初めて患者調査で試みる。
研究方法
統計法に基づき目的外使用を申請し出生コホート集計を行った。各個票の生年月日より出生コホート別傷病別の受療率ならびに総患者数推計を行い,出生コホート別に健康状況がどう変化してきたかOLAP化した。
結果と考察
作表は各コホートの中間年で表した。すなわち1900-05年コホートは全員1902年生まれとし1984年調査時は82歳として作表した。また悪性新生物については,罹患率,死亡率コホートOLAPとも比較検討した。
結論
患者調査,社会医療診療行為別調査等の医療統計は全てe-STAT上で提供されており,データベース形式(表を自由に作れる)も増えている。それでも複数年にわたる時系列グラフはつくれず,また出生コホート別には今回のような統計法による手続きが必要であった。これまでe-STATに蓄積された膨大な統計表を今回示したような時系列コホートOLAP化し,人口動態統計の死亡率などと同一の出生コホート間で比較表示できるようなシステムを構築できるよう統計法の制約も含め検討することを提言する。
公開日・更新日
公開日
2012-05-18
更新日
-