急性期病院におけるソーシャルワーカーの実務基準と質指標(クオリティーインジケーター、QI)の開発に関する実践研究

文献情報

文献番号
201101045A
報告書区分
総括
研究課題名
急性期病院におけるソーシャルワーカーの実務基準と質指標(クオリティーインジケーター、QI)の開発に関する実践研究
課題番号
H23-政策・一般-010
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
笹岡 眞弓(文京学院大学 人間学部)
研究分担者(所属機関)
  • 福井 次矢(聖路加国際病院)
  • 小山 秀夫(兵庫県立大学大学院)
  • 大出 幸子(聖ルカ・ライフサイエンス研究所 臨床疫学センター)
  • 高橋 理(聖ルカ・ライフサイエンス研究所 臨床疫学センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
1,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
保健医療と福祉の連携が我が国の医療及び福祉政策にとって重要な課題である今日、連携の要となりうる医療ソーシャルワーカー (以下SW) の業務を標準化し、その質を担保することを目的とする。
研究方法
SWの質指標(クオリティインジケータQI) を開発するために次の調査研究を行った。まず、国内・外(アメリカ)の文献研究と、全国の主たる9病院の医療SWに質に関するインタビュー結果を基に、米国のQIを検討するために8病院の医療SWをフォーカスグループとし、インタビュー調査を2回行い、日本の医療SWのQI案を策定した。同時にハイリスク基準に関するヒアリング調査を神奈川県の大学病院の医療SWに施行した。次にSWのQIを先行して開発した米国の医療SW9名、研究者5名にインタビュー調査を行いQIの課題を明らかにした。
結果と考察
日本では、SWのマニュアルの作成は一部進んでいるが、SWのQIもJDもほとんど作成されていない。従って、日本でのQIの作成、望ましい業務のガイドラインの作成はSWの質の向上のために必要である。さらに米国でQIが定着しなかった背景の一つに、データ収集に何のインセンティブもなかったことが挙げられている。日本の現状に適応したQIを策定するためには、米国での調査の知見に基づき、日本での応用を検討し、現在のQI案の検証し、定着のためのシステムを構築することへの提言も含めることが必要である。
結論
日本での調査の結果、SWのデータ収集の環境には格差があることが判明した。SW介入の必要基準を作成し、米国で得た知見、日本での予備調査の知見を基に作成したSWのQI案を、日本医療社会福祉協会会員を対象とした全国調査によって、より妥当性のあるQIを策定することが必要である。さらにデータ収集環境の整備及び、データ収集へのインセンティブを検討し、QIの普及をはかることが、日本のSWの質の向上にとって必要不可欠であり、その認識が定着することが望まれる。

公開日・更新日

公開日
2012-12-07
更新日
-

収支報告書

文献番号
201101045Z