医療・介護において共有すべき情報に関する研究

文献情報

文献番号
201101044A
報告書区分
総括
研究課題名
医療・介護において共有すべき情報に関する研究
課題番号
H23-政策・一般-009
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
福祉未来研究所(福祉未来研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
3,750,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究は医療・介護の連携を制度面及び情報面から研究する。制度面では1年以上の長期入院と介護サービスを1つの制度で提供しているオランダに注目し、医療・介護サービスの効果的な提供体系について検討する。医療と介護の連携にあたっての情報面からの研究では、それぞれが共有すべき情報について研究する。本研究では、日本とオランダの制度の詳細な比較を行い、オランダ方式の導入の是非についても研究する。






研究方法
 申請者である福祉未来研究所が主体となって研究を推進する。オランダの専門家(大森正博氏、等)を加えて研究班を組織して研究を進める。
オランダとの比較研究では、オランダで老年学等の研究実績のあるライデン大学内のライデンアカデミーと共同研究を実施する。その結果を踏まえて、日本における医療・介護サービスの効果的な提供体系についての提言を行う。
結果と考察
 オランダのAWBZは1年以上の長期入院、障害者ケア、慢性的精神保健、介護に関する保険で、全ての市民が強制適用される公的保険である。短期医療(ZVW)は完全に民営化され、高齢者介護を含むAWBZは公的制度で運営されている。
 オランダでは短期医療には「規制された競争」を導入して医療サービス提供の効率化を進め、長期療養・介護については、「規制された競争」は導入せずに、より正確なケアアセスメントの手法を確立し、ケア強度パッケージの開発により効率的な長期療養・介護サービスの需給を実現しようとしている。AWBZに関しては効率性の向上、受給者の意向の重視、サービスの重点化、などが求められている。医療サービス利用の効率化(例えば、免責額deductible の導入、被保険者による効率的な保険者の選択)や医療と介護の連携(例えば、ナーシング・ホームにおけるサービス提供、市民サービス番号BSN使用の義務化)において、オランダの行っている取り組みは日本にとって参考になる点が多い。
結論
 オランダでは短期医療と長期療養・介護が明確に区分されている。AWBZ受給者に対する医療サービスに関しては、病院で提供されるサービスは全てZVWの支出、ナーシング・ホームで提供されるサービスは全てAWBZの支出と、むしろ機械的な区分けになっている。入院から介護に移行する際の情報の伝達は必ずしもスムースではない。その理由は適用される法律が異なること、情報保護に関する法律があること、などが挙げられるが、患者・利用者に関する統一的なデータ・フォーマットが無いこともその大きな要因と考えられる。

公開日・更新日

公開日
2012-11-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201101044Z