貧困層の健康と社会的排除についての実態調査と地域の社会医療のあり方についての研究

文献情報

文献番号
201101027A
報告書区分
総括
研究課題名
貧困層の健康と社会的排除についての実態調査と地域の社会医療のあり方についての研究
課題番号
H22-政策・一般-024
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
福原 宏幸(大阪市立大学 大学院経済学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 滋野 由紀子(大阪市立大学 大学院経済学研究科)
  • 水内 俊雄(大阪市立大学 都市研究プラザ)
  • 川野 英二(大阪市立大学 大学院文学研究科)
  • 福島 若葉(大阪市立大学 大学院医学研究科)
  • 松永 一朗(大阪市立大学 大学院医学研究科)
  • 木村 義成(大阪市立大学 大学院文学研究科)
  • 田淵 貴大(大阪府立成人病センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,192,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、貧困や社会的排除が集中する都市の「社会的不利地区」においては地域住民の健康もよくないという事実を、社会疫学と社会経済学の観点からの調査によって明らかにすることにある。またそれは、彼らの健康維持・回復には、新たな保健福祉施策が必要であるとともに、地域社会のソーシャル・キャピタルの創出と活用が必要であること明らかにするものである。大阪市は、失業率や生活保護率が高く、ホームレス生活者や同和地区住民など社会的に不利益を被っている人々が多い。このことから、大阪市を対象として、これらの研究目的を明らかにすることをめざす。
研究方法
この目的を明らかにしていくために、2011年度はアンケート調査「大阪市民の社会生活と健康に関する調査」を実施した。「大都市圏における健康と不平等、社会的断絶(SIRS)国際比較プロジェクト」国際研究グループ(フランスの社会科学高等研究院など)による調査との国際比較が可能となるように配慮し、あわせて国内における既存の健康格差調査による質問項目などを参照して、調査票を完成させた。調査対象者の抽出にあたっては、大阪市内24区に在住する25?64歳の市民を対象とし、これら市民の社会階層的特性や居住地域の特性を考慮して大阪市内100地点を抽出し、この抽出単位から63人を、住民基本台帳を使って系統抽出した。こうして、大阪市民6300人に対し調査を行うこととした。
結果と考察
これによって、有効回答票として3245票、回収率52.4%を得ることができた。
本調査では、2005年国勢調査小地域統計(町丁目)をもとに地区類型を作成した。類型構築の手順は、第一に、職業・住宅に関する項目全を変数として対応分析を行い、第二に、分析の結果えられた成分を変数として階層的クラスター分析を行った。その後、11クラスターの地区類型から人口比例割当で100地点を抽出した。これによって、大都市住民の地域特性について明らかにし、これらと健康質問項目との関連が今後分析される。
結論
アンケートデータの単純集計結果、および簡単なクロス集計によって、以下のことが明らかとなった。社会階層ごとに、社会生活もまた一定の階層性を帯びていること、また、健康状態についても同様の形容があることがひとまず明らかとなった。また、居住地区の特性の共通性が、こうした社会生活や健康においても優位な影響を及ぼしていることが明らかとなった。次年度は、これらの点をより詳細に分析する予定である。

公開日・更新日

公開日
2012-11-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201101027Z