保健活動の質の評価指標開発

文献情報

文献番号
201101025A
報告書区分
総括
研究課題名
保健活動の質の評価指標開発
課題番号
H22-政策・一般-022
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
平野 かよ子(東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 尾崎米厚(鳥取大学医学部)
  • 中板育美(国立保健医療科学院)
  • 山口佳子(杏林大学保健学部)
  • 荒木田美香子(国際医療福祉大学保健医療学部)
  • 神馬征峰(東京大学大学院医学系研究科)
  • 春山早苗(自治医科大学看護学部)
  • 小西かおる(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 井伊久美子(日本看護協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
3,688,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国の保健師は、地域において住民同士で健康問題を解決する地域組織を育成する等の活動を展開し、地域のソーシャルキャピタルを創出することに貢献してきている。しかしその活動の効果、特に質的な効果評価を行う質指標が開発されていない。そこで本研究では保健師による保健活動の質の評価指標を開発することを目的とした。

研究方法
これまで本研究では、国内外における保健活動の質の評価指標に関する文献を収集し、評価枠組を設定し評価指標案を作成した。平成23年度には集積した評価指標を基に、地域保健では「母子保健」「健康づくり」「精神保健福祉」[感染症対策」と「産業保健」の評価指標案について、それぞれの指標の「適切性」と評価の「実行可能性」についてデルファイ法を参考として調査を行った。

結果と考察
調査票の回収率は35.6%から45.0%であった。適切性と実行可能性については、ほとんどの指標案に70%以上が適切と回答されたが、制度で実施が規定されていない一般住民の変化や関係機関との連携・ネットワークを基盤とする活動の実施は少なく、実施していないと適切あるいは実行可能性は低いと判断されることが伺われた。自由意見から指標の表現の不明瞭なもの、判断の基準があいまいなものが指摘され、今後の検討に向け示唆に富む意見が数多く寄せられた。自治体によって地域精神保健福祉対策は保健師ではなく精神保健福祉士が対応しているなどの意見も寄せられた。評価は、日々の業務をこなす中であるべき姿を描き、それと現状とのギャップから課題を認識し、それを解決するために活動を見直すといった一連の過程でなされると考えるが、実際にはその一連の活動が十分になされてないと推察された。
結論
保健活動の評価指標案のうち、適切性と実行可能性の高い指標を抽出することができた。また、指標の文言の修正と統合する項目、削除する項目に関して示唆を得ることができた。しかし今後の指標開発の方向性として、可能な限り具体的な方法を提示し、評価基準を提示する一方で、本研究で開発する評価指標は、それぞれの地域で地域の課題に適した評価指標を創出するための評価の観点あるいは視点を提示するものであり、そのための標準化をめざすことが重要と考えられた。次年度の予定している二次調査は、これを踏まえ実施したい。

公開日・更新日

公開日
2012-12-03
更新日
-

収支報告書

文献番号
201101025Z