文献情報
文献番号
201101013A
報告書区分
総括
研究課題名
困窮する非行少年とその支援に関する研究
課題番号
H22-政策・一般-007
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
鮎川 潤(関西学院大学 法学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,361,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、更生保護施設で生活することを選択せざるをえなかった困窮した少年がどのような実情にあり、どのようなニーズが存在し、厚生労働の観点からどのような支援を行なうことが求められており、また可能であるのかについて検討を試みたものである。
研究方法
更生保護施設をすでに巣立った後に社会への適応に成功した元少年への聞き取り調査を行なう。さらに更生保護施設を退所した後、社会復帰に失敗したケースを比較することによって、更生保護施設における望まれる援助のありかたや、とりわけ適切な就労機会の提供という労働の観点と、保護者と少年との関係や少年が新たに築く家族関係に関する福祉の観点に関して、厚生労働施策への提言を模索する。
結果と考察
初年度は、更生保護施設に在住中の少年に関して計画どおりの男女各10ケースの聞き取りを行ったが、この成果の上に本年度は、更生保護施設を出所した後、男子について社会への適応に成功しているケースを中心にして中部、近畿、九州(沖縄)地方に分散して9ケースの聞き取り調査を行なうとともに、女子については2ケースについて北海道と東京の施設長から間接的に聞き取りを行った。この調査の結果、社会復帰の大きな成功要因として仕事、家族関係、職員との信頼関係が重要であることが判明した。
結論
第一に、更生保護施設の少年たちへの就労機会の提供はもとより、今後、将来におけるより広い職業選択に役立つ機会が提供されことが望ましい。これは、ドイツ現地調査が示唆しているように、最新の技能を地域社会へ開かれた環境で提供することが望まれる。法務省と労働行政や社会福祉が連携し、効率的に提供することが望ましい。
第二に、少年院以前に非行少年と関係した社会福祉機関における少年への対応を再検討し、必要に応じた改善がなされる必要があると思われる。
第三に、更生保護施設における少年と職員との信頼関係を促進するために客観的条件が整えられることが望ましいと考えられる。すなわち、非常に不遇な状況に置かれている更生保護施設の職員の待遇を大幅に改善する必要があると思われる。
最後に、本研究調査から得られる上記のような提言的な示唆は、「子ども(児童)の権利条約」はもとより、「北京ルール」や「リヤドガイドライン」など、子どもの人権を尊重する国際準則に則って推進され、充実されて行く必要がある。
第二に、少年院以前に非行少年と関係した社会福祉機関における少年への対応を再検討し、必要に応じた改善がなされる必要があると思われる。
第三に、更生保護施設における少年と職員との信頼関係を促進するために客観的条件が整えられることが望ましいと考えられる。すなわち、非常に不遇な状況に置かれている更生保護施設の職員の待遇を大幅に改善する必要があると思われる。
最後に、本研究調査から得られる上記のような提言的な示唆は、「子ども(児童)の権利条約」はもとより、「北京ルール」や「リヤドガイドライン」など、子どもの人権を尊重する国際準則に則って推進され、充実されて行く必要がある。
公開日・更新日
公開日
2012-11-02
更新日
-