福祉・介護サービスの質向上のためのアウトカム評価拠点-実態評価から改善へのPDCAサイクルの実現

文献情報

文献番号
201101004A
報告書区分
総括
研究課題名
福祉・介護サービスの質向上のためのアウトカム評価拠点-実態評価から改善へのPDCAサイクルの実現
課題番号
H21-政策・一般-010
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
田宮 菜奈子(国立大学法人筑波大学 医学医療系)
研究分担者(所属機関)
  • 宮石 智(岡山大学大学院 医歯薬総合研究科)
  • 山崎 健太郎(山形大学 医学部)
  • 大久保 一郎(筑波大学 医学医療系)
  • 川口 孝泰(筑波大学 医学医療系)
  • 玉岡 晃(筑波大学 医学医療系)
  • 徳田 克己(筑波大学 医学医療系)
  • 本澤 巳代子(筑波大学 人文社会系)
  • 上杉 礼美 (陳 礼美)(関西学院大学 人間福祉学部)
  • 高橋 秀人(筑波大学 医学医療系)
  • 柏木 聖代(筑波大学 医学医療系)
  • 加藤 剛平(埼玉医科大学短期大学 理学療法学科 )
  • 松澤 明美(茨城キリスト教大学 看護学部 看護学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,627,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
最終年度では、目的2を重視した。
目的1:ヘルスサービスリサーチの概念に基づき、現場の視点から実証的に評価し、その成果を国際的に通用する学術論文として発表する。目的2:上記の研究成果を、一括してまとめ、現場関係者にもアクセスしやすい形にして提示し、さらには、現場から評価結果をフィードバックし、質の向上の貢献できる(PDCAサイクル:Plan Do Check Act)ようなシステム、さらにそれを含んだ包括的アウトカム評価拠点を形成する
研究方法
目的1:介護保険レセプトデータ、全国老人保健施設協会データ、つくば市の介護保険ニーズ調査、つくば市医師会の事例検討会ケースなど、施設ケアおよび地域ケアにおけるミクロおよびマクロのデータを集積し、個々の分担者の専門にあわせた仮設設定および分析を行い、学術論文の発表を行った。
目的2:現場の周知の方法として計画した4つのうち、最終年度に力をいれたのは、下記の、・研究成果を紹介するWEBサイト、・PDCAを可能にするWEBシステムの構築である。それぞれ、各専門業者および現場のケア提供者と連携協力して遂行した。
結果と考察
目的1:分担者のそれぞれの専門かで研究を実施し論文を出版した。
目的2:最終年度では、とくに、下記に力を入れた。・研究成果を紹介するWEBサイト:初年度から試験的立ち上げを一部で行ってきたが、最終年度で正式に公開することができた。・PDCAを可能にするWEBシステムの構築:一老人保健施においては、転倒記録をもとに、フィードバックしリスク会議を開催しているが、集団を対象とするといろいろ課題があり、集計しフィードバックするシステムを作成している業者と連携をとり、その利用者を対象にPDCAが可能なシステムを共同で取り組んだ。
結論
今後の超高齢社会にあって、高齢者福祉サービスの質の保障は、国家的課題である。それには、科学的な学術研究とそれを現場のケア提供者が活用できるシステムの両者が必要である。実証研究とそれを活用できるしくみーこの両輪をともに進めていくことは容易ではないが、現場のニーズ意識は大変高く、また、評価に必要なデータへのアクセスが日々改善してきていることが本研究を通じて実感できた。本研究事業を基に、こうしたしくみの基礎を築くことができた。

公開日・更新日

公開日
2012-11-02
更新日
-

文献情報

文献番号
201101004B
報告書区分
総合
研究課題名
福祉・介護サービスの質向上のためのアウトカム評価拠点-実態評価から改善へのPDCAサイクルの実現
課題番号
H21-政策・一般-010
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
田宮 菜奈子(国立大学法人筑波大学 医学医療系)
研究分担者(所属機関)
  • 宮石 智(岡山大学大学院 医歯薬総合研究科)
  • 山崎 健太郎(山形大学 医学部)
  • 大久保 一郎(国立大学法人筑波大学 医学医療系 )
  • 川口 孝泰(国立大学法人筑波大学 医学医療系 )
  • 玉岡 晃(国立大学法人筑波大学 医学医療系 )
  • 徳田 克己(国立大学法人筑波大学 医学医療系 )
  • 本澤 巳代子(国立大学法人筑波大学 人文社会系 )
  • 陳 礼美(関西学院大学 人間福祉学部 )
  • 高橋 秀人(国立大学法人筑波大学 医学医療系 )
  • 柏木 聖代(国立大学法人筑波大学 医学医療系 )
  • 加藤 剛平(埼玉医科大学短期大学 理学療法学科)
  • 松澤 明美(茨城キリスト教大学 看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、以下の2つを目的として取り組んできた。
目的1:福祉・介護サービスの領域において、ヘルスサービスリサーチの概念に基づき、様々な学問分野の知見を総結集して、現場の視点から実証的に評価し、その成果を国際的に通用する学術論文として発表する。
目的2:上記の研究成果を、現場関係者にもアクセスしやすい形にして提示し、さらには、現場から評価結果をフィードバックし、質の向上の貢献できる(PDCAサイクル:Plan Do Check Act)ようなシステム、さらにそれを含んだ包括的アウトカム評価拠点を形成する。
研究方法
目的1:介護保険レセプトデータに加え、全国老人保健施設協会との連携に基づくデータ、つくば市の介護保険ニーズ調査、つくば市医師会の事例検討会ケースなど、施設ケアおよび地域ケアにおける、ミクロおよびマクロのデータを集積し、学術的成果発表に向けて進めてきた。
目的2:現場の周知の方法として4つを実施した。1-テキストブックの発行、2-各種シンポジウムや懇談会の開催、3-研究成果を紹介するWEBサイト、4-PDCAを可能にするWEBシステムの構築
結果と考察
目的1:多くの論文成果をあげた。
目的2:1-テキストブックの発行:最終的に現場にわかりやすい施設ケアのテキストを単行本として発行し、関係者に寄贈した。2-各種情報交換会の開催:つくば市のケア提供者および家族介護者による懇談会を主催した。3-研究成果WEBサイト:最終年度で正式に公開した。4-PDCAを可能にするWEBシステムの構築:転倒記録を集計しフィードバックするシステムを試行している業者と連携をとり、その利用者を対象にPDCAが可能なシステムを共同で取り組んできた。
結論
介護・福祉サービスの質の保障には、科学的な学術研究とケア提供者が活用できるシステムの両者が必要である。本研究において示された事象―ショートステイと介護度悪化の可能性、医療と福祉の連携の問題、嫁の介護は余命が短い、施設ケアにおける介護度悪化が介護保険費用増大の最大要因である)等は、今後のサービス提供にあたって示唆に富むものである。一方、これらの知見を学術論文にとどめず、現場のケア提供者と共有することこそ必要である。本研究事業を基に、こうしたしくみの基礎を築くことができた。

公開日・更新日

公開日
2012-11-02
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201101004C

成果

専門的・学術的観点からの成果
介護・福祉サービスの質の保障には、学術研究と現場での活用の両者が必要である。本研究で示された、ショートステイと介護度悪化の関連、医療と福祉の連携の不備、嫁の介護の本人生存への影響、施設入所者の介護度悪化が費用増大の最大要因―等は、今後の方策として示唆に富む。一方、これらの知見を現場のケア提供者と共有することこそ必要であるが、本研究を通じて、現場での研究へ意識の高さは認識された。転倒記録など日々の施設記録によるPDCAは、技術的には可能になったが、基準設定のむずかしさなど課題も明らかになった。
臨床的観点からの成果
ショートステイにおいて、本人の介護度の悪化につながっている可能性については、入所時の情報不足、入所中にリハビリなどが実施されないことの改善を示唆する。介護者が嫁の場合の予後については、家族介護者の支援や適切な施設入所の必要性が考えられる。施設記録の活用においては、職員の記録レベルの向上対策が望まれる。
ガイドライン等の開発
設定に至ったガイドラインはまだないが、インシデントレポートの集計方法における学術的な定義や基準設定を広く議論し妥当なものを制度として設定する必要があること、また、レセプトデータや施設内記録等、現場との信頼関係に根ざした契約によって分析に至れたデータが多く、これまでこうしたデータが活用されてこなかった点からは大きく扉が開いた感がある。こうしたデータについて個人情報を含まない形で学術的にも活用し、さらに現場に還元できるようなデータ活用ガイドラインの設定が望まれる。本研究はその基盤を築いたと考える。
その他行政的観点からの成果
市町村レベルであるが、本研究成果およびその共有をしたつくば市では、次期介護保険計画の中に介護者支援の必要性、かかりつけ医師と病院医師の連携の重要性を組み込むことができた。また、代表者らによる国際的学術誌ランセット日本特集での議論においても、日本の高齢者対策が世界から注目されていることが再認識され、本研究成果にもある現場のデータ活用や、介護者支援の必要性、また日本のケアマネージャの意義などは、今後さらに日本からを世界に発信していく必要性があり、これは国際社会における日本の役割であると考える。
その他のインパクト
ランセット日本特集のシンポジウムにおいては日本の介護保険への意識の高さが伺われ、多くの報道がなされた。

発表件数

原著論文(和文)
9件
原著論文(英文等)
10件
その他論文(和文)
2件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
11件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Tamiya N, Okuno M, Kashiwagi M, et al.
Collaboration between physicians and a hospital-based palliative care team in a general acute-care hospital in Japan
BMC Palliative Care , 9-13  (2010)
原著論文2
Kato G, Tamiya N, Kashiwagi M, Sato M, et al.
Relationship between home care service use and changes in the care needs level of Japanese elderly
BMC Geriatr , 9-58  (2009)
原著論文3
Olivares-Tirado P, Tamiya N, Kashiwagi M, et al.
Predictors of the highest long-term care expenditures in Japan.
BMC Health Serv Res , 17 , 11-103  (2011)
原著論文4
久保谷美代子、柏木聖代、村田昌子、他
訪問看護ステーションにおける看護職員の外部研修への参加の実態と関連要因
日本プライマリ・ケア学会誌 , 33 (1) , 42-49  (2010)
原著論文5
山崎健太郎、羽田俊裕、田宮菜奈子、他
高齢者徘徊死亡事例の実態調査(第2報)
法医学の実際と研究 , 54 , 263-269  (2011)
原著論文6
山崎健太郎、田宮菜奈子、松澤明美、他
独居生活者および死後長時間経過事例にみる高齢者孤立死の疫学的考察と山形県・東京都区部の地域差
法医学の実際と研究 , 52 , 227-235  (2009)
原著論文7
Kashiwagi M, Tamiya N, Sato M and Yano E
Factors Associated with the Use of Home-visit Nursing Services Covered by the Long-Term Care Insurance in Rural Japan
BMC Geriatrics , 13 (1)  (2013)
原著論文8
Kobayashi M, Tamiya N, Kashiwagi M, Ito T, Yamaoka Y, Matsuzawa A
Factors related to positive feelings of caregivers who provide home-based long-term care for their family members in Japan
Journal of Research on Humanities and Social Sciences , 3 (16) , 27-36  (2013)
原著論文9
Oyama Y, Tamiya N, Kashiwagi M, Sato M, Ohwaki K, and Yano E
Factors that allow elderly individual to stay at home with their families using the Japanese long-term care insurance system
Gerontology and Geriatrics International , 13 (3) , 764-773  (2013)

公開日・更新日

公開日
2016-06-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201101004Z