バイオテロ以外のCBRNEテロ対策に対する効果的な対策の検証と国際連携ネットワークの活用に関する研究

文献情報

文献番号
201036030A
報告書区分
総括
研究課題名
バイオテロ以外のCBRNEテロ対策に対する効果的な対策の検証と国際連携ネットワークの活用に関する研究
課題番号
H22-健危・一般-012
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
金谷 泰宏(国立保健医療科学院 政策科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 石原 雅之(防衛医科大学校 防衛医学研究センター)
  • 藤田 真敬(防衛医科大学校 防衛医学研究センター)
  • 徳野 慎一(防衛医科大学校 防衛医学講座)
  • 種田 憲一郎(国立保健医療科学院 政策科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
世界健康安全保障行動グループにおいてCBRNEテロに使用される恐れのある化学物質のリスク評価が行われているが、テロ対策を検討する上で、脅威の想定が必要である。従来の研究では、除染に関する本格的な技術検討は進められておらず、除染剤による環境汚染、除染効果に関する基準の設定についての検討は行われていない。本研究においては、既存の次亜塩素酸ナトリウムに代わりうる新たな除染技術について検証を試みるとともに、ナノテク、微生物を用いた除染技術について検討を行う。
研究方法
核・化学テロについて、シミュレーションを用いた被害想定より自治体、国の連携体制について検討を実施した(志方、徳野)。核テロについては、被災者の放射線線量の推計が求められることから、電子スピン共鳴装置を用いた線量評価について、歯芽を治療用電子直線加速器で照射し検量線を作成した(玉置、山口)。「放射線・化学テロ災害時における米国の枠組み」に関する調査については、米国テキサス州サンアントニオにおけるテキサス大学、米国空軍ウィルフォードホールメデイカルセンター、米国空軍航空宇宙医学校の施設訪問による実地調査を行った(斉藤、藤田、徳野)。国際ネットワークの構築に関しては、ベルリンで開催された「脅威と危機の評価手法の開発作業班」、パリで開催された「核放射線訓練及び原因未確定時期の対応」において国内対応を報告した(金谷、種田)。
結果と考察
CBRNE対策は「NBCテロ対処現地関係機関連携モデル」に基づき、保健所と地方衛生研究所において原因物質の分析・評価が行われることとされているが、地方衛生研究所における検査能力は、様々な理由により低下してきている。一方、テロ発生初期段階で、「何が発生したのか?」を明確にすることは困難であることから、医療機関からの情報は極めて重要となる。フランスにおける国際会議においても早期の原因物質特定が、治療・除染の面からも重要とされた。核テロに伴うインフラの破壊、フォールアウト、電磁パルスの影響への対応について、米国での調査を実施したが、制度構築、病院における対応指針、患者搬送時の手順の標準化について、我が国の現状を踏まえ検討する必要性が示唆された。
結論
米国の放射線災害における連携、患者搬送、血液製剤の供給に関する制度を調査した。米国の制度構築の基盤は大きな予算と人的資源であり、我が国の制度に効率的に導入するには、更なる考察が必要である。

公開日・更新日

公開日
2011-09-05
更新日
-

収支報告書

文献番号
201036030Z