文献情報
文献番号
201036013A
報告書区分
総括
研究課題名
居室における中間周波電磁界に関する研究
課題番号
H21-健危・一般-008
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
大久保 千代次(財団法人電気安全環境研究所 電磁界情報センター)
研究分担者(所属機関)
- 多氣 昌生(首都大学東京 都市教養学部)
- 石井 一行(明治薬科大学 衛生化学)
- 小笠原 裕樹(明治薬科大学 衛生化学)
- 池畑 政輝(財団法人鉄道総合技術研究所 遺伝毒性学、分子生物学)
- 吉江 幸子(財団法人 鉄道総合技術研究所 生物工学)
- 欅田 尚樹(国立保健医療科学院 生活環境部)
- 牛山 明(国立保健医療科学院 生活環境部)
- 鈴木 敬久(首都大学東京 都市教養学部)
- 和田 圭二(首都大学東京 都市教養学部)
- 酒井 泰二(独立行政法人情報通信研究機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
26,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
中間周波電磁界を利用した機器が居室にも普及を遂げているが、その健康影響に関する科学的情報が不足なため、健康安全・危機管理として早急な対応が求められている。本研究は、これに対応して、そのハザードの有無について、細胞ならびに動物を用いて明らかにすることを目的としている。
平成22年度は、平成21年度に開発した中間周波電磁界ばく露装置を用いて、細胞へのばく露影響評価を行うと共に動物用への全身用および局所用のばく露装置ばく露装置の開発を行うことを目的とした。
平成22年度は、平成21年度に開発した中間周波電磁界ばく露装置を用いて、細胞へのばく露影響評価を行うと共に動物用への全身用および局所用のばく露装置ばく露装置の開発を行うことを目的とした。
研究方法
電磁界の生体影響評価研究では電気工学的な定量が不可欠であるため、電気工学班、細胞研究班、動物研究班の3班で共同研究を実施した。
電気工学班ではラットの胎児の発生への影響を評価するための局所ばく露装置開発を行った。また、局所ばく露装置の開発のためにその前提となるばく露指標についての検討を行った。
細胞実験班では、開発したばく露装置を用いて、21kHz、3.9mTまでの磁界ばく露(最長72時間)で、細胞毒性や遺伝毒性、エストロゲン作用について評価した。
動物実験班では、電気工学班と協働し、全身用および局所用のばく露装置を開発した。全身ばく露用装置を用いて、最大で3.8mTの短期ばく露を行い、一般毒性および免疫毒性指標について検討を行った。
電気工学班ではラットの胎児の発生への影響を評価するための局所ばく露装置開発を行った。また、局所ばく露装置の開発のためにその前提となるばく露指標についての検討を行った。
細胞実験班では、開発したばく露装置を用いて、21kHz、3.9mTまでの磁界ばく露(最長72時間)で、細胞毒性や遺伝毒性、エストロゲン作用について評価した。
動物実験班では、電気工学班と協働し、全身用および局所用のばく露装置を開発した。全身ばく露用装置を用いて、最大で3.8mTの短期ばく露を行い、一般毒性および免疫毒性指標について検討を行った。
結果と考察
電気工学班では、ラット胎児内において2010年版ICNIRPのガイドラインの一般公衆の基本制限値程度の誘導電界が得られる装置を開発した。
細胞研究班では、DNA損傷等に感受性の高い種々のDNA損傷修復欠損株の生育に影響を与えず、一方で、CHL/IU細胞を用いた小核試験やCHO細胞への突然変異も誘発しないこと、エストロゲン作用が無いことが分かった。
動物研究班では、健康被害に直結すると影響は見られなかった。
細胞研究班では、DNA損傷等に感受性の高い種々のDNA損傷修復欠損株の生育に影響を与えず、一方で、CHL/IU細胞を用いた小核試験やCHO細胞への突然変異も誘発しないこと、エストロゲン作用が無いことが分かった。
動物研究班では、健康被害に直結すると影響は見られなかった。
結論
細胞および動物用に非常に強い中間周波磁界を定量的にばく露できる装置を開発し、これらを用いて、健康影響に結びつく生物学的なばく露影響評価を行ったが、悪影響は認められなかった。
公開日・更新日
公開日
2011-07-22
更新日
-