文献情報
文献番号
201035015A
報告書区分
総括
研究課題名
国際協調により公的な試験法を確立するための手順に関する研究
課題番号
H21-化学・一般-004
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
大野 泰雄(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
- 小野 敦(国立医薬品食品衛生研究所)
- 小島 肇(国立医薬品食品衛生研究所)
- 本間 正充(国立医薬品食品衛生研究所)
- 森田 健(国立医薬品食品衛生研究所)
- 能美 健彦(国立医薬品食品衛生研究所)
- 鈴木 雅也(財団法人食品農医薬品安全性評価センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,640,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
*行政試験法として見込みのある新規安全性試験法について、欧米の研究機関と協力して妥当性を確認し、国際的な受け入れが適切とされた方法のガイドライン化を通じて、新規試験法を国際的方法として公定化する手順を確立する。
研究方法
*内分泌かく乱化学物質スクリーニング法として、我が国発のHeLa9903細胞を用いた ERαアンタゴニスト測定法(HeLa法)、米国で開発されたLUMI-CELL法、AR-EcoScreen細胞を用いたアンドロゲン受容体転写活性化試験法(AR-EcoScreen法)を、遺伝毒性試験として、DNA損傷を評価するin vivoおよびin vitroコメットアッセイ、皮膚感作性試験として、我々の開発したヒト樹状細胞株を用いる方法(h-CLAT法)の国際バリデーションを実施した。また、遺伝子組み換えラットを用いるin vivo遺伝毒性試験法(gpt delta法)のプロトコル確立のための検討を行った。国内的にはJaCVAMを中心に学会、企業および専門家の協力を得た。国際的にはECVAM, ICCVAMと協力した。なお、全ての試験法を同時かつ同様のレベルで進める事は不可能であることから、平成22年度はHeLa法、in vivoコメットアッセイ及びh-CLAT法を中心に、国際バリデーションを推進した。
結果と考察
*HeLa法については、技術的問題等のため参加施設の交代があったが、来年度早々の終了目途が立った。LUMI-CELL法については、得られたデータをもとに判定基準を変更した。AR-EcoScreen法についてはOECDでの審議のための資料を作成・送付した。in vivoコメットアッセイについては、判定基準を示した図解集を作成し、14施設から予定通りの結果を集めることができた。in vitroコメットアッセイでは代謝活性化を要する検体の結果に施設差があった。gpt delta法の多施設予備的検討では予想された結果が得られた。h-CLAT法は技術的な問題を解決し、技術移転を終了した。
結論
*わが国が中心的に進めた3方法の国際的なバリデーションをほぼ順調に遂行できた。gpt delta法の結果も良かった。OECDガイドライン作成やECVAMのバリデーションへの参画を通して、バリデーションの手順、プロトコルの確立や被験物質の選定に関する国際的経験を積むとともに、国際的貢献をした。
公開日・更新日
公開日
2011-05-23
更新日
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