医薬品添加剤等安全確保に関する研究

文献情報

文献番号
201034079A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品添加剤等安全確保に関する研究
課題番号
H22-医薬・指定-033
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
手島 玲子(国立医薬品食品衛生研究所 代謝生化学部)
研究分担者(所属機関)
  • 板垣 康治(北海道文教大学 人間科学部 健康栄養学科)
  • 海老澤 元宏(国立病院機構 相模原病院 臨床研究センター)
  • 松田 勉(山形大学大学院 医学系研究科)
  • 阿曽 幸男(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
3,386,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
後発医薬品の使用により、先発医薬品では起きなかった副作用が生じるケースが指摘されていることもふまえ、本研究では、医薬品添加剤等によるアレルギー発現状況の実態調査や海外における対応の状況等を研究するとともに、医薬品の添付文書等で添加剤に由来するアレルギー等の副作用等に関する注意喚起の方策等を研究し、行政に向け提案することを目的とする。
研究方法
医薬品及び食品のアレルギーに関して、これまでのアレルゲン解析等に係る知見の整理と総括を手島研究代表者が担当し、医薬品に含まれる食品成分によるアレルギーの国内における実態調査を板垣班員が担当し、国内の文献及び学会発表に基づく過去の報告例の調査を海老澤班員が担当し、海外における添付文書及び副作用事例に関する調査を松田班員が担当し、添加剤の使用状況に関する調査を阿曽班員が担当した。また、食品成分によるアレルギーの実態調査については、北海道薬科大学と共同研究を行い、札幌薬剤師会の協力を得た。
結果と考察
1)医療用医薬品及び化粧品に使用されている、食物アレルギー原因食品に由来する主な添加物を対象とし、その特性等に関するこれまでの知見を整理した。 2)札幌薬剤師会の協力の下、医薬品に添加されている食品成分によるアレルギー症状発症に関するアンケート調査を薬剤師を対象に行い、242名より解答が得られ、食物アレルギー発症症例の経験は、2.5%の方が有していた。3)国内の文献及び学会発表に基づく過去の報告例の調査では、医薬品添加物に含まれる食物を原料とするものの中で最も多く副作用報告、症例報告があったものは乳成分に含まれるカゼイン、鶏卵中に含まれるリゾチーム塩酸塩であった。4)医薬品が含有する添加物の添付文書等への記載については、原則的に含有する全ての添加物を表示するという点で、日米欧間で差は認められなかった。5) 添加剤の使用状況に関する調査では、コムギデンプンに関しては、アレルゲンに関する規格試験法の追加に向けて海外で作業が行われていることが分かった。
結論
後発医薬品も含め医薬品添加剤等による国内でのアレルギー発現状況の実態調査のアンケートや国外における添付文書及び副作用事例に関する調査から、今後の更なる広範囲なアンケート調査の基礎となる有用な情報、添加剤に由来するアレルギー等の副作用等に関する注意喚起の方策についての示唆を得ることができた。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201034079Z