新規医薬品・医療機器開発の医師主導治験を促進するためのレギュラトリーサイエンスに関する研究

文献情報

文献番号
201034075A
報告書区分
総括
研究課題名
新規医薬品・医療機器開発の医師主導治験を促進するためのレギュラトリーサイエンスに関する研究
課題番号
H22-医薬・若手-019
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
伊藤 達也(京都大学医学部附属病院探索医療センター 探索医療開発部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
京都大学医学部附属病院探索医療センター(本センター)における医師主導治験や自主臨床研究の実態調査、海外における医師主導治験の実態調査などから問題点を抽出し、その解決策を立案することを目的とし、我国における医師主導治験の促進をすることを目指す。
研究方法
4つの調査研究を行った。1)本センターにおける支援シーズにつき、ボトルネックやハードルとなった内容の状況や経緯を詳細に分析調査した。2)データベースに収録されているプロトコルデータより医師主導治験の実施状況に関する分析調査を実施した。3)本センターにおける自主臨床研究シーズにつき、研究体制、院内経費、産学連携などの実態について分析調査した。4)英国における大学でのトランスレーショナルリサーチや規制当局の薬事規制に関する実態を調査した。
結果と考察
1)過去及び現在進行中の医師主導治験のシーズ4件の経験から、実施手順や体制に関してノウハウが積み重なり、効率が格段に上がった。しかし、治験実施に関しての大きなボトルネックは治験運用のための資金調達や被験者リクルートなどがあげられた。2)海外の臨床試験データベースをもとに医師主導治験の実態を調査した結果、海外あるいは日本でも研究者主導の治験の規模に大きな差があるものでないことが分かった。3)自主臨床研究における研究体制や経費についての問題点を調査し、治験外の自主臨床研究は最終ゴールを決めずに開始したケースが多く、研究計画の段階で研究者と臨床試験支援機関との意見調整があると考えられた。一方で品質を上げるためのデータマネジメントの導入は客観性のあるデータの信頼性につながった。またプロジェクトマネジメントの導入によって、シーズ進捗が向上した。4)英国におけるトランスレーショナルリサーチは、地域毎に拠点病院などが臨床開発を統括しており、日本の実施環境と差があまりないことが確認できた。
結論
4つの調査研究から、我国における医師主導治験や臨床研究の実施する上での課題が抽出された。試験の質や進捗に関してマネジメントを導入し、治験の中で専門家がなすべき役割を果たすことにより、全体の効率が向上したことが分かった。これらの結果は、新規医薬品・医療機器開発の医師主導治験を促進するためのレギュラトリーサイエンスに寄与するものと考える。

公開日・更新日

公開日
2011-06-07
更新日
-

収支報告書

文献番号
201034075Z