文献情報
文献番号
201034066A
報告書区分
総括
研究課題名
インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-医薬・指定-023
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
岡部 信彦(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究分担者(所属機関)
- 宮崎千明(福岡市立西部療育センター)
- 桃井真里子(自治医科大学小児科学)
- 谷口清州(国立感染症研究所感染症情報センター)
- 大日康史(国立感染症研究所感染症情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
11,180,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
新型インフルエンザの発生に伴い、新型インフルエンザにおけるインフルエンザ様疾患罹患時に見られる異常な行動の有無が、医学的にも社会的にも問題になり、その調査を行う。
研究方法
重度の異常な行動に関する調査(重度調査)はすべての医療機関においての調査を依頼した。報告方法はインターネット又はFAXとした。
結果と考察
新型インフルエンザの大きな流行に併せて、異常行動の報告も多かった。重度の報告のピークは、新型インフルエンザのピークよりも4週間早かった。異常行動の発生状況について、これまでの報告では、従来の季節性インフルエンザにおける異常行動の報告傾向と概ね類似しているが、新型インフルエンザ患者発生の状況に応じて年齢が若干高く11才が最頻値で、男性の方がやや多かった。薬剤の使用状況に関しては、10代へのタミフルの処方差し控え以降、相対的に、リレンザ服用例が増加していると思われ、両薬剤での報告割合はシーズンによって異なるが、2009-2010シーズンでは、リレンザ服用例での異常行動報告例が、重度異常行動全体でタミフル服用例と同程度、突然の走り出し、飛び降りでタミフルがやや多いという状況であった。
結論
このような状況からは、従来の季節性インフルエンザと同様に、抗ウイルス薬の種類、使用の有無と異常行動については、新型インフルエンザでも特定の関係に限られるものではないことが窺える。また、異常行動の報告内容には、飛び降りなど、結果として重大な事案が発生しかねない事案も従来同様に報告されている。以上のことから、新型インフルエンザに対しても、従来の季節性インフルエンザ同様に異常行動が起こり得るとして、従来の注意喚起を継続することが必要と考えられる。
公開日・更新日
公開日
2011-05-26
更新日
-