遺伝子組換え医薬品等のプリオン安全性確保のための検出法及びプリオン除去工程評価に関する研究

文献情報

文献番号
201034050A
報告書区分
総括
研究課題名
遺伝子組換え医薬品等のプリオン安全性確保のための検出法及びプリオン除去工程評価に関する研究
課題番号
H22-医薬・一般-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 川崎 ナナ(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
  • 生田 和良(大阪大学 微生物病研究所)
  • 萩原 克郎(酪農学園大学 獣医学部)
  • 菊池 裕(国立医薬品食品衛生研究所 衛生微生物部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
7,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
バイオ医薬品等の安全性確保を異常プリオン(PrPSc)目的として、医薬品原材料や製造中間工程製品等におけるPrPScの有無の確認法、製造工程バリデーションを行うための高感度、選択的且つ効率的PrPSc検出法、及び試験試料調製法の開発を行う。
研究方法
微量糖タンパク質の効率的回収法の検討、 PrPSc株感染マウス脳由来プリオン(PrPres)材料の調製法、ウエスタンブロット(WB)によるPrPres 検出条件の最適化、ウイルス除去膜(15nm)及び電気的吸着特性をもつろ過膜を用いたプリオン除去能の評価、 WB法による PrPres感染マウスの脳内 PrPres 蓄積量の解析を実施した。
結果と考察
1)PrPC の精製に応用可能な電気泳動ゲルからの微量糖タンパク質回収法の最適化を行い、微量糖タンパク質の効率的回収法を確立した。
2)バイオ医薬品のプリオン除去工程のために、マウス馴化vCJD(mo-vCJD)株感染マウス脳由来のプリオン(PrPres)試料調製法の確立を行った。さらに、PrPres検出用の6D11抗体を用いたWB法の条件最適化を行うと共に、PrPres試料及びWB法を用いた製造工程バリデーション法を検討した。
3)膜ウイルス除去膜(15nm)及び電気的吸着特性を有するろ過膜等によるvCJD除去実験を行い、vCJD膜孔径による除去と電気的作用による除去によりPrPresが除去されることを確認した。また、細胞培養によるvCJDの感染増幅を目指した細胞株樹立に向けた検討を開始した。
4)vCJD感染マウスにおける感染動態の評価を行い、臨床所見が顕在化する1ヵ月前に脳中PrPresはWB法で検出できるレベルまで増加していることを明らかにした。今後は低用量の接種を行った時の感染動態を明らかにし、観察期間の最適化を検討する。
5)PrPScを特異的に認識する抗体を作製するために、43番目のSerをリン酸化したPrPを認識するマウス抗血清を調製し、その有用性を評価した。また、検出法としてELISAの固相抗原にPrPSc感染マウス脳乳液を用いた効率的な検出法を確立した。
結論
今年度の成果は、製造工程におけるPrPSc除去/不活能評価法の標準化や高感度及び高異性PrPSc検出法の開発につながることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2011-06-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201034050Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,500,000円
(2)補助金確定額
7,500,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 0円
間接経費 0円
合計 0円

備考

備考
預金利息

公開日・更新日

公開日
2015-06-29
更新日
-