後発医薬品の同等性ガイドラインにおける試験条件の最適化に関する研究

文献情報

文献番号
201034049A
報告書区分
総括
研究課題名
後発医薬品の同等性ガイドラインにおける試験条件の最適化に関する研究
課題番号
H22-医薬・一般-005
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
四方田 千佳子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 柴田 寛子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 岸本 清子(東京都健康安全研究センター医薬品部医薬品研究科)
  • 梶村 計志(大阪府立公衆衛生研究所衛生化学部 薬事指導課)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
生物学的同等性試験のより適切な実施方法の設定を目指して、実験的検証に基づきながら経口固形製剤における溶出試験法の適切な改訂を目指す.また,近年の新たに開発されたマイクロエマルジョンやリポソーム製剤など,特徴ある製剤についても,生物学的同等性評価のあり方について基礎的な検討を開始する.並行して、製剤の有効性安全性の評価に不可欠な放出試験法の設定を推進する。
研究方法
生物学的同等性の評価における溶出試験条件のうち,新たに試験に用いることが認められた界面活性剤使用における諸問題、マウント形成時に適用が認められた回転バスケット法の試験条件の評価などを試みた。脂質分散系製剤の中から、リポソーム製剤とマイクロエマルジョン製剤を取り上げて基礎的な検討を行った。さらに、局所皮膚適用製剤、経皮吸収型製剤における放出試験に関する検討を行い、放出試験法の設定を試みた。
結果と考察
経口固形製剤における界面活性剤の影響に関しては,新たに使用が認められたドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の品質では,脂肪酸組成が溶出試験結果に影響する可能性が示唆された.また,ソファルコン錠では,SDSとポリソルベート(PS)による可溶化能に大きな差が認められず,可溶化は医薬品に大きく依存することが示された.リポソーム製剤の同等性評価のあり方に関して,FDAのガイドラインを詳細に検討した.また,PEG修飾リポソーム表面のPEG水和層の厚さや存在状態がゼータ電位測定により評価可能であることを示した.マイクロエマルジョン経口製剤では,その分散状態が製剤によりかなり異なるにもかかわらず,ラットによる動態実験では大きな差が認められなかった.経皮吸収型製剤のための放出試験法案を我が国の試験の実態を踏まえて作成した.
結論
界面活性剤の使用に際しては,その純度など試薬の特性を特定することが必要と考えられた.また,界面活性剤の使用濃度は,PSの可溶化能程度と限定される予定であるが,その制限の意味合いは医薬品によって大きく異なることが示唆された.リポソーム製剤に関しては,同一性評価に際して要求されるべき事項を洗い直すと共に,特性評価法からPEG水和層の厚さが評価可能であることを示した.
マイクロエマルジョンでは,分散状態の差がラットにおける動態には大きな影響を及ぼさないことから,ある程度の分散状態が確保されれば,吸収に差がないことが示唆された.経皮吸収型製剤の放出試験法としては,パドルオーバーディスク法とシリンダー法の設定で網羅できると考えられた.

公開日・更新日

公開日
2011-06-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201034049Z