文献情報
文献番号
201034037A
報告書区分
総括
研究課題名
植込み型生命維持装置の不具合に関する情報
課題番号
H21-医薬・一般-024
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
笠貫 宏(早稲田大学 理工学術院)
研究分担者(所属機関)
- 平尾 見三(東京医科歯科大学 循環制御内科学)
- 加納 隆(埼玉医科大学 保健医療学部 医用生体工学科)
- 豊島 健(日本メドトロニック(株) CRDM事業部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
植込み型生命維持装置は非常に高度な専門知識を有する不具合情報等の集積・伝達の担い手が不可欠である。そのため、2008年日本不整脈学会では、ペースメーカ/ICD・CRT関連企業従事者を対象に不整脈に関連した知識について、国際的IBHRE試験を日本に導入し、この試験に合格した学会会員をCDRとして認定する制度を発足させた。本研究の目的はCDRが不具合等情報について的確な情報交換・共有を可能とするシステムを構築し、真に患者にとって安全安心の医療を提供することである。
研究方法
日本不整脈学会、PMDA、JADIA、JAHID、ペースメーカー友の会の各組織から指名された担当者を研究協力員として作業班を発足させ、アンケート調査、公開シンポジウムを行い、CDR間での情報交換を可能にするウェブサイトシステムの構築と模擬試験運用を行った。
結果と考察
1.不具合を生じたメーカーのみならず、他社のCDRとも不具合情報を共有する場合、どのような内容まで可能かを検討するものとして8項目をあげた。2.CDR自身の自覚と医療界における彼らへの期待に関するアンケート調査への回答は、CDR360名、医療機関勤務医師149名、コ・メディカル180名の合計689名から得られた。3.2回の公開シンポジウムのテーマはCDRの現状と問題点及び役割と将来をテーマとした。4.ウェブサイトの構築と運用を行い不具合情報をCDR間で討議するための問題点を抽出した。
結論
1.不具合情報に含まれるべき情報要因として、装置の不具合による異常動作の内容、異常動作によって患者に生じる症状、兆候的現象を伴うか異常を生じる製品の範囲、現状での発生率、考えられる対応策、根本原因が挙げられた。2.CDRの認知度は、CDRの認識以上に病院スタッフの認知度は高かった。医療機関が求めるCDRの役割は、CDR側・病院スタッフ側が期待する点は双方ともよく合致しており、医療現場で行う病院スタッフへのデバイス関連のトレーニング、製品の安全・適正使用に関する情報提供、植込み時/フォローアップ外来でのサポート等の役割が期待されていた。3.CDR間での情報交換を可能にするウェブサイトは、CDRが自らの経験を越えた範囲で日々の研鑽に活用できるものと考えられた。今後は更なる高度専門職業人としての議論の場に発展することが期待され、不具合情報をCDR間で討議するためのルール作りが必要である。
公開日・更新日
公開日
2011-05-31
更新日
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