採血基準の見直しと献血者確保の方策に関する研究

文献情報

文献番号
201034030A
報告書区分
総括
研究課題名
採血基準の見直しと献血者確保の方策に関する研究
課題番号
H21-医薬・一般-017
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
河原 和夫(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 中島 一格(東京都赤十字血液センター)
  • 佐竹 正博(東京都西赤十字血液センター)
  • 豊田 九朗(日本赤十字社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は既存の採血基準でも献血できるにもかかわらず、それを行っていない国民・住民の掘り起こしを企図し、献血者の増加を図るとともに、現行の採血基準について科学的・疫学的に再評価を行い、献血集団の拡大と献血者の健康保護、血液製剤の安全性確保ならびに献血血液を安定供給することにより安心できる医療を提供できる体制を確保するため、科学的知見に基づいて採血の新基準を設定ならびに血液行政に対する施策提言することが目的である。
研究方法
日本赤十字社の全国統一コンピュータシステムに入力されている2009年6月1日~15日の間に献血した270,106人の献血者情報をもとに献血者の地理的分布等の特性や属性を分析した。 また、都道府県別の献血率については、2009年6月1~30日までの1か月間のデータをもとに求めた。 また、400mL献血可能回数の拡大研究については、平成16年~20年までの献血者データをもとに400mL献血の献血可能回数の拡大の可能性を調べた。
結果と考察
全国の献血者の職業、性別等の属性と献血行動を分析するとともに、特に日本赤十字社の基幹血液センターである、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、岡山県、そして福岡県の献血者の動向と属性を詳細に分析した。研究を通じて献血者の地理的分布や実際の献血率が明らかになった。今後は、こうした献血者の特性に応じた献血協力活動を各血液センターあるいはルーム毎に展開して広報の方法、対象者の選定も再考する必要がある。 加えて400mL献血の献血回数を見直して年間4回の採血の可能性を調査したところ、平均Hb値は、それほど低下しなかったものの低下が大幅な献血者が存在すること、ならびにHb値が採血可能境界域を少し越えた献血者が4回献血すると、Hbが基準以下に低下することも危惧されることから、男性の400mL献血の年間4回実施については慎重に検討していく必要がある。
結論
今後は、全国のマーケティングを行い、潜在献血者を発掘し減少傾向にある献血者の増加に繋げていかねばならない。また、献血者確保のために採血基準等を科学的根拠に基づいて見直すことは、新たな献血者の開拓等につながっていく。一方、献血が可能であるにもかかわらず献血したことがない者を掘り起こし、献血に積極的に参画していただくことも献血者を増やしていく上で重要な事柄である。

公開日・更新日

公開日
2011-07-08
更新日
-

収支報告書

文献番号
201034030Z