文献情報
文献番号
201034020A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品を巡る環境の変化等に対応した生物学的製剤基準の改正のための研究
課題番号
H21-医薬・一般-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 篤(国立感染症研究所 ウイルス第三部)
研究分担者(所属機関)
- 岩城 正昭(国立感染症研究所 細菌第二部)
- 和田 昭仁(国立感染症研究所 細菌第一部)
- 駒瀬 勝啓(国立感染症研究所 ウイルス第三部)
- 板村 繁之(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
- 白土 東子(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
- 高崎 智彦(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
- 柊元 巌(国立感染症研究所 病原体ゲノム解析研究センター)
- 浜口 功(国立感染症研究所 血液安全性研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
3,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
生物学的製剤基準(以下、生物基)は我が国の国民を健康被害から守るために作られたものである。従って、我が国独自の規格が存在する。一方、医薬品は既にグローバル化しており、独自規格が時に国民の健康被害への迅速対応の障害になるため、共通化を進めるべきだとの考えもある。そこで、本研究班は環境の変化に合せた生物基及び国家検定項目の在り方を検討するものである。
研究方法
生物学的製剤の製造・販売に関係する日米欧の業界団体及び感染症研究所から提案された生物基改定案について、日本脳炎ワクチン研究班、ポリオウイルス研究班、風疹・麻疹・おたふくかぜワクチン研究班、インフルエンザウイルスワクチン研究班、パピローマウイルスワクチン研究班、ジフテリア・百日咳・破傷風・結核菌・Hibワクチン及び無菌試験研究班、肺炎球菌ワクチン研究班、異常毒性否定試験研究班、グロブリン等血液製剤研究班に分けて業界団体関係者及び感染症研究所関係者で検討した。
結果と考察
生物基のあり方を可能な範囲で議論するため日米欧の業界団体から改訂要望を聞き、それに感染症研究所内から上がった案を加え、それらの妥当性について研究班レベルで検討を行った。科学技術の進歩により登場した新たな測定方法・機器を用いて高精度に製剤の品質管理ができる基準変更、あるいは現状に即していない部分の基準変更は、速やかに行うのが適当と判断した。一方、欧米の試験と共通化することにより一部の試験に於いては過去の試験成績とワクチン接種後の臨床的データの相関結果が失われることが危惧され、共通化によるメリットとの間で更なる議論が必要とされた。また、動物を用いた実験スケールの変更、非動物実験への転換等は妥当であると確認されたが、考え方の違い等から結論が出せないものもあった。
結論
日米欧の業界団体並びに感染症研究所内から上がった生物基に関する改訂案について検討したところ、科学技術の進歩により登場した新たな測定方法・機器を用いて高精度に製剤の品質管理ができるものについては速やかに基準に取り入れ、医薬品による健康被害を起こさないように努める事、また現状に即した修正を行う事では意見が一致した。その一方、試験成績とワクチン接種後の臨床的データの相関結果は貴重な資産であり、試験法の変更により、それらが失われるディメリットと欧米との共通化によるメリットとの間で更なる議論が必要とされた。
公開日・更新日
公開日
2011-05-23
更新日
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