文献情報
文献番号
201034018A
報告書区分
総括
研究課題名
漢方処方製剤の安全性及び同等性の評価並びに生薬の品質確保と国際調和に関する研究
課題番号
H21-医薬・一般-004
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
研究分担者(所属機関)
- 袴塚 高志(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
- 鎌倉 浩之(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
- 川原 信夫(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター)
- 木内 文之(慶應義塾大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
重層的な視野で,漢方処方や生薬について,今後どのように安全性や有効性を担保し品質をどのように保証するかという行政上の諸問題に直接対応するとともに,生薬に関する国際調和に貢献することを目的とする.
研究方法
1.漢方処方の日本薬局方原案作成に関する研究,2.一般用漢方処方製剤の安全性と有用性に関する研究,3.医療用漢方処方の同等性に関する研究,4.漢方処方の安全性・有効性に関する研究,5.生薬の品質確保に関する研究,6. 生薬のTLC情報の集積と公開に関する研究,7.生薬の国際調和に関する研究等を有機的に連動させながら行う.
結果と考察
1.WG会議を5回開催し,結果を局方委員会に提出した.2. 防風通聖散を用いたAURを実施し,199例のエントリーが得られ,内188例について有効な回収が確認された. 3. 6処方及びそれらを構成する生薬の凍結乾燥エキスを調製し,そのエキス収量(収率)を測定し,エキス収量が,局方における新たな品質評価指標として適用できる可能性を示した.また,葛根湯製剤及び湯剤について,指標成分であるエフェドリン類の血中濃度推移を検討し,同等性について検討を行った結果,血漿中濃度,Cmax及びAUCについて製剤間で有意な差は認められなかった.4. 主に大黄配合処方から成る、乙字湯、三黄瀉心湯、柴苓湯、小承気湯、真武湯、大黄甘草湯、大柴胡湯及び桃核承気湯がマクロファージ様細胞のIL-6発現を抑制することが判明した.
5. 5漢方処方処方64エキス検体について,ヒ素,カドミウム,水銀及び鉛の実態調査を行った.その結果,香港生薬基準と比較して,小青竜湯1検体においてカドミウム含量がやや高いことが明らかとなった.またqNMRに関し,バリデーション実験を実施した結果,有効数字2桁程度の精度を持つ値付けが,現実的に可能であることが示された.
6. 31生薬のTLC確認試験データ収集を行い,9生薬について試験法の改正案を作成,局方委員会に提案した.
7. FHHの日本での活動を支援した.
5. 5漢方処方処方64エキス検体について,ヒ素,カドミウム,水銀及び鉛の実態調査を行った.その結果,香港生薬基準と比較して,小青竜湯1検体においてカドミウム含量がやや高いことが明らかとなった.またqNMRに関し,バリデーション実験を実施した結果,有効数字2桁程度の精度を持つ値付けが,現実的に可能であることが示された.
6. 31生薬のTLC確認試験データ収集を行い,9生薬について試験法の改正案を作成,局方委員会に提案した.
7. FHHの日本での活動を支援した.
結論
本研究の成果は,日本薬局方や,承認基準等に反映されることで,生薬や漢方処方の品質,有効性,安全性の確保に貢献するとともに,FHHを通じ,生薬・植物薬の国際理解・調和にも貢献する.
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
-