文献情報
文献番号
201034013A
報告書区分
総括
研究課題名
医療事故防止に向けた薬剤師の取り組みと医療上の評価に関する研究
課題番号
H20-医薬・一般-022
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
土屋 文人(国際医療福祉大学薬学部)
研究分担者(所属機関)
- 木村 昌臣(芝浦工業大学 工学部情報工学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医薬品関連医療事故防止のために薬剤師がどのような役割を果たしているのかについて、病院薬剤師の配置問題の検討会の資料を利用して昨年度に検討を行った薬剤師の評価方法を検討するために、医薬品安全管理責任者に対してアンケート調査を行い、収集されたデータについて、データマインニングの手法により、薬剤師の業務内容と医療安全の関係について解析を行う
研究方法
医薬品安全管理責任者を対象として、制定から5年近く立った医薬品安全管理責任者の果たしている役割について医薬品安全管理責任者が薬剤師の場合と他の職種との場合とでの違いについて調査を行った。また、疑義照会の実効性を高めるための方策についても検討を行った。
結果と考察
医薬品安全管理責任者を対象として調査を行い、医薬品安全管理責任者が薬剤師の場合と医師・看護師等薬剤師以外の場合とで、手順書の作成、手順書の記載事項、手順書による業務の確認、手順書の定期的な改訂、従業者に対する研修の実施とその際に使用する情報源、医薬品の安全使用のための情報収集、外部講習会の受講状況について手順書差があることが確認された。これらの結果から薬剤師の医薬品関連医療事故防止の評価においては、これらの点を指標にしてその達成度合いを評価することも有用と思われる。
また、薬剤師が直接事故防止に役割を果たすことが期待される疑義照会については病院情報システムや薬剤部門システムの普及により、これらを利用した場合には、基本的なチェックについてはシステムの機能に依存しているのが現状であるが、システムで行われるチェック内容について必ずしも薬剤師に周知徹底されていない実態があることから、これらを徹底するための方策を検討すべきと思われる。そのためには、現在の添付文書の内容をデータ化して、チェックを標準化するような検討も必要と思われる。
また、薬剤師が直接事故防止に役割を果たすことが期待される疑義照会については病院情報システムや薬剤部門システムの普及により、これらを利用した場合には、基本的なチェックについてはシステムの機能に依存しているのが現状であるが、システムで行われるチェック内容について必ずしも薬剤師に周知徹底されていない実態があることから、これらを徹底するための方策を検討すべきと思われる。そのためには、現在の添付文書の内容をデータ化して、チェックを標準化するような検討も必要と思われる。
結論
医薬品関連医療事故防止における薬剤師の役割を客観的に評価するために指標とすべき項目がある程度示されたことから、これらの項目について時間的あるいは病棟常駐等の薬剤師配置形態とを考慮してデータ収集・解析を行うことにより、更に客観的評価の手法が確立できるものと考えられる。
医薬品の適正使用を確保するためには疑義照会は極めて重要な位置づけとなる。しかしながら、疑義照会は薬剤師によってその内容が大きく異なることからこれらを標準化するためのデータベースの開発も必要と思われる。
医薬品の適正使用を確保するためには疑義照会は極めて重要な位置づけとなる。しかしながら、疑義照会は薬剤師によってその内容が大きく異なることからこれらを標準化するためのデータベースの開発も必要と思われる。
公開日・更新日
公開日
2011-08-03
更新日
-