文献情報
文献番号
201033057A
報告書区分
総括
研究課題名
腸管出血性大腸菌汚染食品中の毒素プロファイリングに即応した実践的集団感染制圧システムの構築
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-食品・若手-023
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 美帆(同志社大学生命医科学部医生命システム学科)
研究分担者(所属機関)
- 山崎 伸二(大阪府立大学大学院生命環境科学研究科)
- 内藤 幹彦(国立医薬品食品衛生研究所機能生化学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
4,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
大腸菌O157:H7等の腸管出血性大腸菌 (STEC)による感染症は、下痢や出血性大腸炎ばかりでなく時に溶血性尿毒症症候群 (HUS)や脳症等の重篤な合併症を併発する。Shiga toxin (Stx)はSTECが産生する主要な病原因子である。本研究では1)食肉牛、流通食品、臨床現場からSTEC株を単離し、産生されるStxの全てのファミリーならびにバリアントを同定すること、2)多価型ペプチドライブラリー法、ならびに新たに開発した多価型ペプチドシート合成技術を用い、各Stxの細胞内輸送を阻害しその毒性を抑制する一連のペプチド性阻害薬を同定することを目的とする。
研究方法
1)環境および臨床由来STEC株の分離と産生Stxプロファイリングの同定:食肉牛、流通食品さらに臨床現場から様々なSTEC株を単離し、Stxを分離同定する。産生Stxのプロファイリングについては、各毒素遺伝子を用いたPCR法、ELISA法によって確認する。2)分離STEC株由来Stx群の単離精製、性状解析:各STEC株から産生されるStxのリコンビナントBサブユニットの発現精製を行う。
結果と考察
1)これまでに、食肉牛糞便900検体から171株、市販牛肉30検体から7株、患者1171検体から33株、のSTECを単離している(初年度を含めた現在までの累積数)。ウシ由来の単離STECは全てがnon-O157であり、血清型は多い順にO22:H8、O130:H24、O17:H11、O153:H25であった。stx遺伝子解析の結果、stx1単独陽性株、stx2単独陽性株、両陽性株が検出され、このうちstx2単独陽性株、両陽性株がほとんどを占めた。このことは、この中にStx2バリアントが複数種類含まれている可能性を示唆しており、現在すべての株のStxの塩基配列を解析中である。2)臨床分離株由来Stx2d-Bサブユニットの発現精製を行った。さらにBサブユニット受容体結合部位に変異を導入した変異Bサブユニットを作成した。現在、これらを用いて多価型ペプチドライブラリーのスクリーニングが進行中である。
結論
食肉牛糞便由来の単離STECは全てnon-O157であり、そのほとんどがStx2単独陽性株、両陽性株であった。今後、各STEC株の産生毒素プロファイリングに応じ、多価型ペプチドライブラリーによるスクリーニングを行い、各Stx阻害薬を同定する。
公開日・更新日
公開日
2011-05-27
更新日
-