文献情報
文献番号
201033053A
報告書区分
総括
研究課題名
肥満・脂質代謝を標的にした機能性健康食品の免疫学的機能・安全性評価
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-食品・若手-019
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
國澤 純(東京大学 医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
現在、脂質代謝を標的にした多くの機能性食品が開発されている。食餌性脂質の量と質が腸管免疫の制御に深く関わっていること、ならびに腸管免疫を介した恒常性維持機構の破綻が各種炎症・アレルギー性疾患などの免疫疾患の発症を考え合わせると、脂質代謝を標的とした機能性健康食品が腸管免疫に影響を与え、その結果、各種免疫疾患につながる危険性が考えられる。本研究においては、脂質代謝を標的にした機能性健康食品、特に機能性食用油の免疫学的機能・安全性を評価することを目的とする。
研究方法
各種機能性食用油を重量比で4%含む特殊餌を作製し、その餌で2ヶ月間飼育したマウスにおける定常状態での腸管免疫応答をELISA法による抗体産生測定、フローサイトメトリー法による細胞分布解析、サイトカインの定量などにより評価した。
結果と考察
体に脂肪がつきにくいとされている短鎖脂肪酸を多く含むヤシ油から構成される特殊餌で飼育したマウスにおいては、2ヶ月間飼育後もIgAの産生量に変化が認められなかった。一方で同じヤシ科であるパーム油においては腸管免疫の活性化が観察され、IgAの産生が約2倍に増加していた。パーム油にパルミチン酸が多く含まれるという性質に着目し、大豆油にパルミチン酸をパーム油に同程度となるよう加えたところ、パーム油と同様のIgAの産生増加が認められ、特に大腸においてIgA産生細胞数の増加が観察された。一方、大腸組織から回収したT細胞のサイトカイン産生については、測定したIFN-g, IL-4, 5, 6, 10, 17のいずれにおいても大きな変化が認められなかった。
腸管内における吸収が少ないとされるジアシルグリセロールを用いて飼育したマウスにおいては、有意な差ではないもののIgA産生の増強が認められた。またIgA産生形質細胞をフローサイトメトリーにより検出したところ、パルミチン酸を加えた餌の場合と同様、大腸においてIgA産生細胞数の増加が認められた。一方、大腸組織から回収したT細胞のサイトカイン産生については、測定したIFN-g, IL-4, 5, 6, 17では大きな変化が認められなかったが、抑制型サイトカインとして知られているIL-10の産生抑制が認められた。
腸管内における吸収が少ないとされるジアシルグリセロールを用いて飼育したマウスにおいては、有意な差ではないもののIgA産生の増強が認められた。またIgA産生形質細胞をフローサイトメトリーにより検出したところ、パルミチン酸を加えた餌の場合と同様、大腸においてIgA産生細胞数の増加が認められた。一方、大腸組織から回収したT細胞のサイトカイン産生については、測定したIFN-g, IL-4, 5, 6, 17では大きな変化が認められなかったが、抑制型サイトカインとして知られているIL-10の産生抑制が認められた。
結論
ヤシ科の食用油のうちパーム油に腸管免疫の活性化を示すこと、その責任脂肪酸がパルミチン酸であることを見いだした。またジアシルグリセロールはトリアシルグリセロールに比べ腸管免疫が活性化する傾向を示すことを明らかにした。
公開日・更新日
公開日
2011-05-26
更新日
-