食品用器具・容器包装及び乳幼児用玩具の安全性向上に関する研究

文献情報

文献番号
201033043A
報告書区分
総括
研究課題名
食品用器具・容器包装及び乳幼児用玩具の安全性向上に関する研究
課題番号
H22-食品・一般-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
河村 葉子(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
研究分担者(所属機関)
  • 平原 嘉親(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
  • 六鹿 元雄(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
  • 阿部 裕(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
9,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 食品用器具・容器包装及び乳幼児用玩具は、食品衛生法の「食品、添加物等の規格基準」によりその安全性が担保されているが、制定されてから長い年月が経過し様々な課題がみられる。そこで、それらの規格基準の見直しや規格改正の基礎となる調査研究を行い、器具・容器包装及び玩具の安全性向上をはかる。
研究方法
 海外の法規制や試験法等について情報を収集するとともに、各種試験検査を実施し、それらをもとに検討を行った。
結果と考察
 合成樹脂製器具・容器包装では、蒸発残留物試験改正のため、酸性食品の定義、酒類の溶出溶媒、飲食器等の使用温度区分、試験溶液の調製法、加温方法、試料の水洗、キャップ用密封材の倒立法、高温試験の代替条件、溶出量の表記法、規格値などを検討した。
 ゴム製器具・容器包装では、シリコーンゴム製品の材質表示を検討し、またカドミウム及び鉛材質試験について、JISに収載されているフッ化水素法を検討するとともに、有害なフッ化水素酸を使用しないアルカリ熔融法を新たに確立した。
 乳幼児用玩具では、改正欧州玩具指令で規制強化された17種類の有害元素について市場流通玩具を調査したところ、ゲル状おもちゃでアルミニウム及びホウ素の溶出量が欧州指令の基準を超過するものがみられたが、それ以外では基準を超過するものはみられなかった。また、ポリ塩化ビニル製玩具について、DART-TOF/MSを用いたフタル酸エステルの簡易スクリーニングを検討した。
 器具・容器包装に残存する化学物質では、ポリメタクリル酸メチル製品中のメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル及びトルエンの溶出量は20%エタノールで最も高く、4%酢酸や水では低く、ヘプタンではみられなかった。また、ウレタン系接着剤で貼り合わせたラミネートフィルム製品について、イソシアネート類及びその分解物であるアミン類の材質中残存量並びにその溶出量を調査したところ、高温用製品で一部溶出がみられた。
結論
 本研究で得られた規格基準や試験法の見直し案や市場品の調査結果等は、食品衛生行政の推進に直接的に貢献するとともに、器具・容器包装や玩具の安全性向上に大きく寄与するものと考える。

公開日・更新日

公開日
2011-05-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201033043Z