畜水産食品における動物用医薬品等の安全性確保に関する研究

文献情報

文献番号
201033035A
報告書区分
総括
研究課題名
畜水産食品における動物用医薬品等の安全性確保に関する研究
課題番号
H22-食品・一般-007
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
三森 国敏(国立大学法人 東京農工大学 大学院農学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 渋谷 淳(国立大学法人 東京農工大学 大学院農学研究院)
  • 梅村 隆志(国立医薬品食品衛生研究所 病理部)
  • 九郎丸 正道(国立大学法人 東京大学 大学院農学生命科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
9,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)CYP1A inducerの同時投与による肝発がんイニシエーションないしプロモーションにおける修飾作用を検討する。2)種々の発がん物質投与により標的細胞に出現する巨大核・細胞巨大化に着目した分子機構に関わる指標分子を利用した短期検索系を確立する。3)p53欠損ないしnrf2欠損gpt deltaマウスによりニトロフラン類の発がん機序を解明する。4)牛の背根神経節の脊柱からの完全除去法を確立することを目的とする。
研究方法
1)ラット二段階肝発がんモデルを用いて、オメプラゾールとβナフトフラボンを6週間単独ないし複合投与した。ラット肝イニシエーションアッセイモデルを用いて、多環芳香族炭化水素と両化合物を1週間単独ないし複合投与した。2)ピペロニルブトキサイド、フェンベンダゾール、メチルオイゲノール、アセトアミノフェン、α-naphtyl isothiocyanateのラット28日間反復投与実験を行った。3)ニトロフラントイン(NFT)、ニトロフラナール、アミノヒダントイン(AHD)をp53欠損ないしnrf2欠損gpt deltaマウスに投与した。4)牛の枝肉当たり32個の背根神経節のうち、前半部24個の背根神経節の完全除去が可能かを検討した。
結果と考察
1)併用投与によりプロモーション作用に相加的な増加が認められたが、イニシエーション作用の増強は認めなかった。2)肝発がん物質群の多くでAurora B、p-Histone H3、HP1αの陽性細胞の有意な増加がみられた。3)腎臓でNFT群のgpt突然変異頻度が高かったが、Spi-突然変異頻度では差異はなかった。NFT腎発がんに遺伝毒性機序の関与が示唆された。4) 92%の除去がと畜場で可能となっているが、100%の除去達成は調査資料の6%に過ぎなかった
結論
1)CYP1A inducerを併用投与することにより、プロモーション作用が相加的に増加する可能性が示唆された。2)巨大核出現を伴う肝発がん物質では、M期異常を反映する分子変化が見出され、M期関連分子の発現解析が肝発がん物質の早期検出指標になることが示唆された。3)NTFのin vivo変異原性試験で陽性結果が得られ、その変異原性にはAHDの関与が示唆された。4)脊柱から背根神経節を除去する方法を検討したが、100%の除去達成は困難であった。

公開日・更新日

公開日
2011-05-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201033035Z