食品中残留農薬等のスクリーニング分析法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201033033A
報告書区分
総括
研究課題名
食品中残留農薬等のスクリーニング分析法の開発に関する研究
課題番号
H22-食品・一般-005
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
根本 了(国立医薬品食品衛生研究所 食品部)
研究分担者(所属機関)
  • 坂井隆敏(国立医薬品食品衛生研究所 食品部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
7,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ポジティブリスト制度の導入により基準値が設定された農薬等の数は820品目を超え、畜水産物には動物用医薬品に加えて農薬の基準値も設定された。このような多数の農薬等の農産物及び畜水産物中の残留検査には、効率的で信頼性の高いスクリーニング分析法の開発が不可欠である。そこで、1)新規分析技術を用いた農産物中残留農薬のスクリーニング分析法の開発及び2)畜水産物中残留動物用医薬品及び農薬の包括的スクリーニング分析法の開発を行った。
研究方法
1)測定における効率化を図るためLC-TOFMS法の残留農薬分析への適用について検討した。測定条件の最適化を行い、農産物中の残留農薬一斉分析に適したLC-TOFMS測定条件を求め、食品マトリックスの測定への影響、定量限界及び選択性について評価した。2)畜水産物に基準値が設定されている農薬等から、log Pow値を指標として低極性から高極性まで広範な物性を持つ164化合物を選定し、畜水産物から可能な限り多くの農薬等を効率的に抽出可能な抽出方法及び脱脂精製方法について検討した。畜水産物からの農薬等の抽出状況については、融解した脂肪に農薬等を添加し再固化させた試料を用いた添加回収試験により評価した。
結果と考察
1)農薬の多成分同時測定に適したTOFMS条件及び食品マトリックスの影響を受けにくいLC条件が得られ、農産物中の残留農薬一斉分析に適用可能なLC-TOFMS測定条件が得られた。また、インソース衝突誘起解離によるフラグメンテーションを利用した確認方法について検討した。精密質量情報にフラグメントイオン情報を加えることで、より信頼性の高い分析が可能と思われる。2)畜水産物からの農薬等の抽出溶媒として、脂肪の溶解性・分散性が高く、液体試料との混和性も良好であり、かつ低極性から高極性まで幅広い物性の農薬等の溶解性が高いことからアセトンを選択した。また、アセトニトリル/ヘキサン分配及びC18ミニカラム精製について検討し、高い脱脂効果が得られた。
結論
1)LC-TOFMS法は感度が不十分な農薬もあるが、精度及び選択性の点から農産物中の残留農薬スクリーニング分析に用いることが可能と考えられた。2)抽出溶媒にアセトンを用いることにより、畜水産物から幅広い物性の農薬等を脂肪とともに効率的に抽出することが可能であった。また、アセトニトリル/ヘキサン分配及びC18ミニカラム精製により、効果的に脱脂可能であったが、マトリックスの測定への影響を除くために更に精製を行う必要があった。

公開日・更新日

公開日
2011-05-23
更新日
-

収支報告書

文献番号
201033033Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,500,000円
(2)補助金確定額
7,500,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 0円
間接経費 0円
合計 0円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
-