文献情報
文献番号
201033031A
報告書区分
総括
研究課題名
いわゆる「健康食品」と医薬品との併用に関わる安全性評価に関する研究
課題番号
H22-食品・一般-003
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
永田 清(東北薬科大学 薬学部 )
研究分担者(所属機関)
- 松永 民秀(名古屋市立大学 大学院薬学研究科 )
- 細川 正清(千葉科学大学 薬学部 )
- 頭金 正博(名古屋市立大学 大学院薬学研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
25,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、いわゆる「健康食品」の使用実態を調査した上で、申請者らが構築した薬物代謝酵素活性阻害及び酵素誘導評価法を用いて、薬物相互作用を評価するところにある。
研究方法
薬物相互作用の測定法は、申請者らが構築したハイスループットが可能な培養細胞中で行う。また、信頼性の高いデータベース構築のために、医薬品による相互作用データを参考にして抽出法及び定量化等の明確な基準を決める。新規手法開発を目指し、薬物代謝活性および誘導評価が可能なヒトiPS細胞分化手法を開発する。さらに、グルクロン酸抱合酵素UGT1A1及びトランスポーターMDR1の遺伝子単離と誘導に関わる遺伝子領域の解析を行う。
結果と考察
本研究手法では,均一な培養細胞の作成および凍結保存できるために、大量のサンプルの供給が可能である。酵素誘導については、既存の誘導薬物あるいは化学物質を用いて、現在臨床にて問題となっているCYP3A4およびCYP1A2の誘導および酵素活性を評価したところ、本誘手法で得られた結果は既に報告されたものとほぼ同じであった。実験のプロトール化を行い、高い再現性とハイスループット化が可能であることが判明した。また、薬物代謝酵素誘導評価系につては、UGT1A1及びMDR1の誘導評価可能な培養細胞株の樹立を試み、MDR1似ついては成功した。
我々は更なる新規手法の開発を目指し、ヒトiPS細胞より成人の肝臓・小腸の細胞(腸管上皮細胞)に近い機能を有する細胞への分化を検討した。その結果、成人肝臓と比較すると薬物代謝酵素活性は低いが、胎児肝臓程度の活性を示した。他の肝分化マーカータンパク質の発現量から判断しても、ヒトiPS細胞は本手法にて胎児肝様の細胞への分化に成功したと考えられた。小腸の細胞(腸管上皮細胞)への分化は、今回は予備実験として検討した。小腸上皮細胞様細胞への分化が誘導されたと考えられた。
我々は更なる新規手法の開発を目指し、ヒトiPS細胞より成人の肝臓・小腸の細胞(腸管上皮細胞)に近い機能を有する細胞への分化を検討した。その結果、成人肝臓と比較すると薬物代謝酵素活性は低いが、胎児肝臓程度の活性を示した。他の肝分化マーカータンパク質の発現量から判断しても、ヒトiPS細胞は本手法にて胎児肝様の細胞への分化に成功したと考えられた。小腸の細胞(腸管上皮細胞)への分化は、今回は予備実験として検討した。小腸上皮細胞様細胞への分化が誘導されたと考えられた。
結論
本年度の主要な研究実績は、いわゆる「健康食品」のリスト作成検討、新規手法を用いた実験の信頼性及び簡便性を得るためのプロトール化及びハイスループット化の完成、およびヒトiPS細胞から胎児肝様細胞への分化誘導が成功したことである。また,いわゆる「健康食品」の使用及び有害事象発生の状況把握するために、全国レベルのアンケート調査を始めた。事業の進捗状況は良好であり、幾つかは既に終了している。
公開日・更新日
公開日
2011-05-18
更新日
-