文献情報
文献番号
201033016A
報告書区分
総括
研究課題名
食品防御の具体的な対策の確立と実行可能性の検証に関する研究
課題番号
H21-食品・一般-002
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 健康政策医学講座)
研究分担者(所属機関)
- 山本 茂貴(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
- 三上 栄一(愛知県衛生研究所 )
- 高谷 幸(社団法人日本食品衛生協会 事業部)
- 岡部 信彦(国立感染症研究所 感染症情報センター)
- 赤羽 学(公立大学法人奈良県立医科大学 健康政策医学講座)
- 鬼武 一夫(日本生活協同組合連合会 組織推進本部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
16,380,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、過年度研究の成果である“日本版CARVER+Shock法”と“人為的な食品汚染防止に関するチェックリスト”を、実際の食品工場に適用し、食品企業が食品防御対策を行うためのガイドラインについて検討する。また食品による健康被害の発生を把握する食品市販後調査(PMM)の実行可能性を検証する。
研究方法
日本生協連の委託工場を対象とし、食品に係る多様な有識者で構成される研究班メンバー監修のもと、食品防御に対する脆弱性評価手法(Carver+Shock法)、食品工場向けのチェックリスト及び食品防御ガイドラインを検討した。
また日本生協連組合員モニタの健康状態及び商品購入データの分析により、PMMの実行可能性を検証した。実行可能性は、健康被害の発生可能性が検知された場合に、当該モニタの購入商品を照合することにより検証した。
また日本生協連組合員モニタの健康状態及び商品購入データの分析により、PMMの実行可能性を検証した。実行可能性は、健康被害の発生可能性が検知された場合に、当該モニタの購入商品を照合することにより検証した。
結果と考察
食品防御に対する脆弱性評価手法及びチェックリストは当初の目的をほぼ達成した。最終年度においては、「在庫や最終製品の増加時における対応(増加分の製品の特定方法)」「職員訓練プログラムの内容」など食品防御の細部を検討する必要がある。特に本研究で特定した汚染物質は、従来の法制度上や食品衛生上の管理では対応が不十分であり、脆弱ポイントへの持込み制限、監視体制の強化等を盛り込む必要がある。
食品の市販後調査(PMM)の実行可能性の検証については、いくつかの問題点(モニタの報告頻度、症状の判断、購入品の喫食日等)が明らかになったため、データ整理や集計の方法を検討する必要がある。本研究では先行分野である医薬品副作用の検出手法を援用したが、医薬品とは異なり食品は喫食日が特定できないなどの違いもあるため、これら相違を解決する手法について検討が必要である。
食品の市販後調査(PMM)の実行可能性の検証については、いくつかの問題点(モニタの報告頻度、症状の判断、購入品の喫食日等)が明らかになったため、データ整理や集計の方法を検討する必要がある。本研究では先行分野である医薬品副作用の検出手法を援用したが、医薬品とは異なり食品は喫食日が特定できないなどの違いもあるため、これら相違を解決する手法について検討が必要である。
結論
食品防御に対する脆弱性評価手法及びチェックリストは当初の目的をほぼ達成した。最終年度はこの成果をもとにしたガイドラインの検討を行う。食品防御対策を普及させるためにはHACCPに沿った項目とすることが有用と考えられため、それらとの整合関係についても検討する。
PMMについては、症状と食品との相関についてある程度検出されたが、症状データ、購入データ双方ともにおいてもいくつか問題が把握されたため、今後は適切なデータクリーニングや集計の方針の検討、検出基準等について再精査を行う必要がある。
PMMについては、症状と食品との相関についてある程度検出されたが、症状データ、購入データ双方ともにおいてもいくつか問題が把握されたため、今後は適切なデータクリーニングや集計の方針の検討、検出基準等について再精査を行う必要がある。
公開日・更新日
公開日
2011-05-18
更新日
-