特定集団を含めたリスクコミュニケーションの媒体(教材)とプログラム開発と普及に関する研究

文献情報

文献番号
201033015A
報告書区分
総括
研究課題名
特定集団を含めたリスクコミュニケーションの媒体(教材)とプログラム開発と普及に関する研究
課題番号
H21-食品・一般-001
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
丸井 英二(順天堂大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 堀口 逸子(順天堂大学 医学部)
  • 守山 正樹(福岡大学 医学部)
  • 吉川 肇子(慶応義塾大学 商学部)
  • 杉浦 淳吉(愛知教育大学 教育学部)
  • 赤松 利恵(お茶の水女子大学 生活科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
8,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
視覚障がい者、子ども等情報弱者対象のリスクコミュニケーションのための教材とプログラム開発、評価を行い、有用性、効果が確認された教材について利用の機会の検証を行う。
また、小学校教諭などリスクコミュニケーターとしての技能等必要要件明確化を図る。
研究方法
教材開発は、利用者であるリスクコミュニケーターの現状把握としてインタビュー、郵送質問紙調査を実施した。調査結果から、教材内容を決定し、家庭科教員養成課程大学生ゼミや、研究者のディスカッションから完成させる。昨年度までに開発された2次元イメージ展開法はグループインタビューによって視覚障がい者への応用の検証と評価を実施した。また小学生の子どもをもつ母親を対象に小学校で学ぶべき食の安全教育内容等についてWeb調査を実施した。
結果と考察
グループインタビューと質問紙調査から小学校の学校栄養士,家庭科教諭,養護教諭の3専門職種で食の安全の捉え方が異なる部分があり、教える内容として食中毒、アレルギー、事故の防止等、多岐にわたっていたが、リスクの考え方は約3割に留まり、その内家庭科教諭からが約5割であった。調査結果から、家庭科での利用を想定したカードゲーム(指導要綱、児童向けリーフレット付)が開発された。また、リスクの考え方としての化学物質の量と作用の関係の理解のためのシミュレーションゲームが開発中である。他者とのコミュニケーションを通じて食へのこだわりを自覚し,食品選択時に考慮すべき事柄への気づきを促すものと、食の社会的背景に触れ,興味や関心を持たせ,新しい発見や考えを深められるようにする教材が開発された。2次元イメージ展開法の視覚障がい者への応用は可能で、またバリアフリー化と有用性が確認できた。母親の小学校で学ぶべきと考える内容は,優先度の高い順に、「食品表示の見方」(18.8%)、「食品の鮮度の見分け方」(18.7%)であった。小学校教職員対象の調査で教育されていた「食中毒防止」を1位として選んだ人の割合は,7.6%であった。
結論
リスクの考え方を伝える教材は、次年度に完成させなければならない。また開発された教材については、対象者(子ども)及び利用者へのインタビュー等を利用した質的及び質問紙を利用した量的評価が必要である。有用性、効果が確認された教材利用が普及方法について明確にする。専門家間だけでなく母親とも教育内容について差異がみられた。

公開日・更新日

公開日
2011-06-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201033015Z