文献情報
文献番号
201033009A
報告書区分
総括
研究課題名
清涼飲料水中の汚染原因物質に関する研究
課題番号
H20-食品・一般-010
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
工藤 由起子(国立医薬品食品衛生研究所 衛生微生物部)
研究分担者(所属機関)
- 小沼 博隆(東海大学 海洋学部)
- 後藤 慶一(三井農林株式会社 食品総合研究所)
- 大西 貴弘(国立医薬品食品衛生研究所 衛生微生物部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
清涼飲料水に関する諸問題を整理し、安全な製品が消費者に提供・消費されるための要点を検討、情報を提示する事を目的とする。今年度は、1.清涼飲料水の腐敗原因微生物の特定のための微生物同定方法の確立として(1)真菌同定のための遺伝子指標に関する研究および(2)果実における真菌叢の解析、2.細菌および 3.真菌について清涼飲料水中での挙動と毒素産生の解析、4.清涼飲料水の殺菌・除菌方法の妥当性を検討した。
研究方法
1.(1)カビのFusarium属菌をについて全ゲノムレベルの相同率を測定。(2)果実由来真菌を形態学的および分子生物学的指標にて同定。2.各種飲料水での細菌および酵母の増殖性および毒素産生性を解析。3. 2と同種の飲料水でのカビの増殖性及び苦情にあげられる肉眼的変化を観察。4. 85℃30分の殺菌効果を非芽胞形成菌および芽胞形成菌において評価。また、海外の清涼飲料水の微生物関連規格基準の情報を収集した。
結果と考察
<結果>1.(1)相同率は、β-tub塩基配列相同率とよく相関した。(2)高頻度検出の真菌はCladosporium属であった。2.茶系飲料では、Enterobacter等の顕著な増殖、EHECO157:H7の毒素産生が確認された。3. Aureobasidium等は茶系飲料等で培養2日目から発育。4.加熱で芽胞形成菌は減少しなかった。海外では日本と消費飲料水の種類が異なり殺菌基準はない。
<考察>
1.(1)全ゲノムレベルでの相同率によってFusarium属菌の解像度の高い系統樹の構築が可能性である。(2)清涼飲料水の腐敗防止のために真菌叢の優占菌種となっている非病原真菌に注目した管理が重要である。2.食中毒菌の増殖および毒素産生性による、健康被害について、消費者および製造者の認識と啓発が必要。3.開封後の清涼飲料水の保管でカビの増殖が危惧される。4.加熱効果の指標菌の確立、日本での清涼飲料水の特徴にあった規格基準の検討が必要である。
<考察>
1.(1)全ゲノムレベルでの相同率によってFusarium属菌の解像度の高い系統樹の構築が可能性である。(2)清涼飲料水の腐敗防止のために真菌叢の優占菌種となっている非病原真菌に注目した管理が重要である。2.食中毒菌の増殖および毒素産生性による、健康被害について、消費者および製造者の認識と啓発が必要。3.開封後の清涼飲料水の保管でカビの増殖が危惧される。4.加熱効果の指標菌の確立、日本での清涼飲料水の特徴にあった規格基準の検討が必要である。
結論
1.(1)全ゲノムレベルでの相同率によってカビの同定に必要な高解像系統樹の構築が可能である。(2)優占菌種の非病原真菌に注目した原料果実の管理が重要である。2.口飲み・開封時に混入する微生物が発育に配慮が必要である。3.カビによる腐敗防止には、冷蔵庫を過信せず速やかに消費する必要がある。4.加熱殺菌の適切な指標菌の設定、茶系飲料など日本での殺菌・除菌の規格基準の検討が必要である。
公開日・更新日
公開日
2011-05-26
更新日
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