地球的視点からみた寄生虫分野の効果的な対策に関する研究

文献情報

文献番号
199700867A
報告書区分
総括
研究課題名
地球的視点からみた寄生虫分野の効果的な対策に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
辻 守康(杏林大学医学部熱帯病・寄生虫学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 相川正道(東海大学総合医学研究所)
  • 青木克己(長崎大学熱帯医学研究所)
  • 石井明(自治医科大学動物学教室)
  • 稲葉博(国立感染症研究所)
  • 鈴木守(群馬大学医学部寄生虫教室)
  • 多田功(九州大学医学部寄生虫教室)
  • 竹内勤(慶応義塾大学医学部)
  • 森次保雄(国立感染症研究所)
  • 原隆昭(日本寄生虫予防会)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 新興・再興感染症研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
25,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成10年度の主要国首脳会議(バーミンガム・サミット)に日本が議題として提出する予定の“地球規模の寄生虫病対策"の報告書を纏めることを目的とする。
研究方法
日本はこれまでにマラリア、フィラリア症、住血吸虫症、土壌伝播寄生虫症の制圧に成功した経験を持っているが、地球的視点からみた場合には現在でも多くの寄生虫病の流行地が存在している。本研究では分担者がそれぞれの専門分野を担当し、特に問題となっている寄生虫病について諸外国の学者や二国間医療協力関係者さらには国際機関及び民間活動団体から情報を収集して世界における現状を調査するとともに、日本における過去の経験の分析も行った。これらの成績に基づいて今後の効果的な制圧計画や研究強化についての提言の纏めを行った。
結果と考察
現在寄生虫病は特に熱帯地域を中心にした途上国で乳幼児死亡や経済損失の主な原因となっている。地球的視点からみてマラリアの罹患者は年間 3~5 億人、死亡者は 150~270 万人、腸管寄生虫の罹患者は年間35億人、死亡者は 4.5億人であることなどが把握された。研究調査の結果、寄生虫病蔓延の背景には紛争における難民の移動、開発に伴う環境の変化、地球温暖化による熱帯寄生虫の北上などが問題であるとの結論を得た。その解決には地球規模の取り組みが必要であることを指摘した本研究の成果は今後の対策に役立つものである。
結論
本研究成果は既に纏められて総理に報告書が提出され、主要国首脳会議(バーミンガム・サミット)でこの成果を基にして寄生虫病の制圧に向けて地球規模での国際協力実施について日本が先進国のなかで主導する意向が表明される予定である。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)