文献情報
文献番号
201033008A
報告書区分
総括
研究課題名
既存添加物の有効性と品質を確保するための規格試験法の開発
課題番号
H20-食品・一般-009
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
山崎 壮(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
研究分担者(所属機関)
- 堀江 正一(大妻女子大学 家政学部)
- 受田 浩之(高知大学 教育研究部自然科学系生命環境医学部門)
- 松井 利郎(九州大学大学院 農学研究院)
- 石川 洋哉(福岡女子大学 人間環境学部)
- 松藤 寛(日本大学 生物資源科学部)
- 杉本 直樹(国立医薬品食品衛生研究所 生活衛生化学部)
- 水上 元(名古屋市立大学大学院 薬学研究科)
- 多田 敦子(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
- 秋山 卓美(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
既存添加物を対象にして、(1)有効性を担保できる品質評価試験法の開発、(2)混合物の確認能力にすぐれたGC/MS、LC/MS、NMRを利用した規格試験法の開発、(3)基原の確認試験法の開発、をめざした。
研究方法
A.有効性を担保できる品質評価試験法の開発
(A1)成分規格試験法に利用できる抗酸化活性測定法の確立
(A2) 天然抗酸化剤の酸化による品質劣化のハザード評価指標成分の探索
(A3)保存料・日持ち向上剤の抗菌活性評価の指標成分の探索
B.定量NMRを用いた既存添加物の新規分析法の開発と応用に関する研究
C.基原確認試験法の開発
(C1)植物由来添加物の成分解析と市販製品の基原の考察
(C2)酵素製品の基原を酵素タンパク質から確認する方法の検討
D.第9版食品添加物公定書の新規収載規格原案の検討
(A1)成分規格試験法に利用できる抗酸化活性測定法の確立
(A2) 天然抗酸化剤の酸化による品質劣化のハザード評価指標成分の探索
(A3)保存料・日持ち向上剤の抗菌活性評価の指標成分の探索
B.定量NMRを用いた既存添加物の新規分析法の開発と応用に関する研究
C.基原確認試験法の開発
(C1)植物由来添加物の成分解析と市販製品の基原の考察
(C2)酵素製品の基原を酵素タンパク質から確認する方法の検討
D.第9版食品添加物公定書の新規収載規格原案の検討
結果と考察
(A1) 14機関によるDPPH法の室間共同試験を実施して標準操作法を確立した。脂質酸化抑制能評価法であるロダン鉄法の操作法を改良し、酸化防止剤の力価評価を行った。ORAC法を用いて酸化防止剤の併用効果の解析を行った。DPPH法ではラジカル消去速度が併用効果を生じる一因であることが示唆された。
(A2) ローズマリー抽出物を強制的に加熱処理して劣化させると遺伝毒性物質が生成したが、加熱処理により生成した化合物のうちのデヒドロロスマリキノンに遺伝毒性を認めた。品質劣化のハザード評価指標成分になり得る可能性が示された。
(A3) ホコッシ抽出物の抗菌活性成分がバクチオールであることを確認し、製品中のバクチオールを定量した。
(B) 定量NMR法を用いて、カラメルとステビア抽出物の規格試験に使用する定量用試薬の純度測定、及びベニバナ赤色素中の色素成分カルタミンの定量を行った。定量NMR/多変量解析法がカラメル製品の原材料を推定する有力な手法になり得ることが示唆された。
(C1) 既存添加物トウガラシ水性抽出物の含有成分の分析方法を検討し、製品の基原を考察した。
(C2)α-アミラーゼをモデルにして、酵素をプロテアーゼで消化して生成するペプチドをHPLC分析することにより、菌株の異なる酵素製品の識別に有用な情報が得られる可能性が示された。
(D) 第9版食品添加物公定書新規収載候補品目の自主規格の改善検討と新規収載規格原案作成を行った。
(A2) ローズマリー抽出物を強制的に加熱処理して劣化させると遺伝毒性物質が生成したが、加熱処理により生成した化合物のうちのデヒドロロスマリキノンに遺伝毒性を認めた。品質劣化のハザード評価指標成分になり得る可能性が示された。
(A3) ホコッシ抽出物の抗菌活性成分がバクチオールであることを確認し、製品中のバクチオールを定量した。
(B) 定量NMR法を用いて、カラメルとステビア抽出物の規格試験に使用する定量用試薬の純度測定、及びベニバナ赤色素中の色素成分カルタミンの定量を行った。定量NMR/多変量解析法がカラメル製品の原材料を推定する有力な手法になり得ることが示唆された。
(C1) 既存添加物トウガラシ水性抽出物の含有成分の分析方法を検討し、製品の基原を考察した。
(C2)α-アミラーゼをモデルにして、酵素をプロテアーゼで消化して生成するペプチドをHPLC分析することにより、菌株の異なる酵素製品の識別に有用な情報が得られる可能性が示された。
(D) 第9版食品添加物公定書新規収載候補品目の自主規格の改善検討と新規収載規格原案作成を行った。
結論
ほぼ予定通り研究が進んだ。
公開日・更新日
公開日
2011-06-07
更新日
-