文献情報
文献番号
201033003A
報告書区分
総括
研究課題名
検査機関の信頼性確保に関する研究
課題番号
H20-食品・一般-003
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
石見 佳子(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 食品保健機能プログラム)
研究分担者(所属機関)
- 永田 純一(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 食品保健機能プログラム)
- 梅垣 敬三(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
新規食品成分を含む新開発食品が開発されているが、これらの製品は今後益々増加することが予想される。特定保健用食品の関与成分については、その分析法の妥当性ならびに精度管理に至るまでの複数の分析機関間における検討は少ない。分析精度を含めた分析法の妥当性と各試験機関における試験結果の信頼性の確保を行うため、利用頻度が高い機能性食品素材を用いた食品あるいは様々な成分からなる食品に焦点を当て検討を行うことを目的とした。
研究方法
食品形態の違いによる多施設間の分析値のばらつきあるいは分析精度を確認するため、平成22年度は、主に「健康食品」を対象とし、ビタミンB12、難消化性デキストリン、茶カテキン及び大豆イソフラボンの室間共同試験を行い、分析精度の向上が期待できる分析精度管理の確立を試みた。昨年度の室間共同試験でばらつきの大きかったビタミンD(VD)については、分析法を改良し、4 種類の粉乳(未知試料)を用いた室間共同試験を実施した。
結果と考察
VD の改良法は、粉乳中の VD 含量を精確に定量できることが示された。VB12では、市販のビタミンサプリメントにおいて、一部の含有量の高い食品で現在の公定法では対応できないものがあることが明らかとなり、改善の必要性が示された。また、公定法である微生物学的定量法 (MBA) の妥当性確認の一環として、HPLC法による定量化についても検討を行ったところ、HPLC法はMBAよりも再現性の高いことが明らかとなった。難消化性デキストリンについては、従来法では良好な室間再現性が得られたが、改良法はさらに検討する余地があることが明らかになった。茶カテキンでは、今回実施したHPLC-UV法及びHPLC-ECD法は、飲料形態だけでなく、錠剤・カプセル状の製品の分析にも適用できることが明らかになった。大豆イソフラボンに関しては、固体状、液状及び粉末状の「健康食品」について、厚生労働省により通知された方法により良好な室間再現性が得られたが、イソフラボン含量の高い粉末状食品では再現性が低いことが示された。
結論
食品形態の違いによる分析精度を含めた栄養成分及び機能性食品成分の分析法の妥当性について検討した結果、食品形態及び食品成分が分析値に及ぼす基礎的な問題点を明確にすることができた。
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
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