化学物質管理における世界戦略へ対応するための法規制等基盤整備に関する調査研究

文献情報

文献番号
201032008A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質管理における世界戦略へ対応するための法規制等基盤整備に関する調査研究
課題番号
H20-労働・一般-011
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
城内 博(日本大学 理工学部(大学院理工学研究科 医療・福祉工学専攻))
研究分担者(所属機関)
  • 森田 健(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
  • 宮川 宗之(独立行政法人労働安全衛生総合研究所 健康障害予防研究グループ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
化学物質による災害、健康障害、環境問題は世界的に早急に取り組むべき課題である。今後世界の化学物質管理の大きな柱になるであろうSAICMおよびGHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)の観点から、わが国の法規制(特に労働安全衛生法)上の課題を明らかにし、その改善に向けた提言を行う。また、この目的のために欧米諸国の化学物質管理に関する重要な関連書籍や文書を邦訳し、これらを公開することで、化学物質管理における重要な考え方や方法を普及させ安全文化構築のための基盤整備を前進させる。
研究方法
1 欧米におけるGHS関連法規制の調査および化学物質管理に関連した重要な書籍、文書の邦訳
2 欧米諸国のGHS関連法規制とわが国の労働安全衛生法との比較および法改正等への提言
3 基準等の比較検討および改正等に関する提言、邦訳書籍・文書の公開
結果と考察
1 OECD試験ガイドライン(健康影響)のうち前年度までに翻訳が終了していなかったもの、ここ1~2年で改訂されたもの、さらに新たに加えられたものについての翻訳を実施した。また生殖毒性および神経毒性についてのOECDガイダンス文書、国連訓練調査研究所(UNITAR)で作成したGHS教育マニュアルも翻訳した。
2 世界的にGHS実施及びその準備が進行していることを踏まえ、アジア諸国におけるGHSの実施状況について調査を行った。その結果は2010年9月に北京で開催された中国政府およびUNITAR共催のアジア地域GHSワークショップで発表した。
3 諸外国のGHS実施は急速に進んでおり、各国の法規制への導入は国連勧告GHSに忠実に従ったものと予想される。これは将来的に日本がGHS実施においては最後進国になる可能性も意味しており、早急に危険有害性情報の伝達を国内法規の中で確立し、国際基準に近づく努力が必要である。これらの状況については厚生労働省における「職場における化学物質管理の今後のあり方に関する検討会」において情報提供を行いさらに法改正等に関する提言を行った。翻訳文書は出版あるいはネットで公開した。
結論
アジア諸国でのGHS実施に関して調査を行い、我が国のGHS対応を考えるための基礎的資料を得ることが出来た。海外の重要な書籍等の翻訳、公開、出版を十分に進めることができた。

公開日・更新日

公開日
2011-09-06
更新日
-

文献情報

文献番号
201032008B
報告書区分
総合
研究課題名
化学物質管理における世界戦略へ対応するための法規制等基盤整備に関する調査研究
課題番号
H20-労働・一般-011
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
城内 博(日本大学 理工学部(大学院理工学研究科 医療・福祉工学専攻))
研究分担者(所属機関)
  • 森田 健(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
  • 宮川 宗之(独立行政法人労働安全衛生総合研究所 健康障害予防研究グループ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
化学物質による災害、健康障害、環境問題は世界的に早急に取り組むべき課題である。今後世界の化学物質管理の大きな柱になるであろうSAICM(国際的化学物質管理に関する戦略的アプローチ)およびGHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)の観点から、わが国の法規制(特に労働安全衛生法)上の課題を明らかにし、その改善に向けた提言を行う。また、この目的のために欧米諸国の化学物質管理に関する重要な関連書籍や文書を邦訳し、これらを公開することで、化学物質管理における重要な考え方や方法を普及させ安全文化構築のための基盤整備を前進させる。
研究方法
1. 欧米におけるGHS関連法規制の調査および化学物質管理に関連した重要な書籍、文書の邦訳
2.  SAICMおよび欧米諸国のGHS関連法規制とわが国の労働安全衛生法との比較および法改正等への提言
3. 基準等の比較検討および改正等に関する提言、邦訳書籍・文書の公開
結果と考察
1.  以下の文書等を翻訳した:欧州CLP(分類・ラベル・包装)規則、国連危険物輸送勧告・モデル規則 第15版、国連危険物輸送勧告 試験方法及び判定基準のマニュアル第4版、米国HCS(危険有害性周知基準)改訂案、OECD(経済協力開発機構)試験ガイドライン、OECD神経毒性および生殖毒性ガイダンス文書、国連訓練調査研究所(UNITAR)GHS教育マニュアル、国連GHS専門家小委員会(第15回~第20回)報告書。
2. SAICMおよび欧米各国のGHS関連法規と日本の労働安全衛生法との比較を行い、これに基づき、行政の委員会等で情報提供および今後の日本の対応について提言を行った。特に厚生労働省の「職場における化学物質管理の今後のあり方に関する検討会」においては、その報告書の中で、職場における化学品の危険有害性情報伝達の重要性を認識しその改善を検討するという結論を導くに至った。
3. 翻訳文書等のいくつかを出版することが出来た。また翻訳文書の全ては開設したGHSサイトで公開している。
結論
本調査研究で行った、SAICMおよび諸外国と日本の法制度との比較検討結果、諸外国のGHS実施に関する情報提供、さらに化学物質管理に関する海外の重要な書籍等の翻訳、公開、出版は、今後の日本の制度改革そして化学物質管理における世界戦略へ対応するための基盤整備として十分な成果であると確信する。

公開日・更新日

公開日
2011-09-06
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201032008C

成果

専門的・学術的観点からの成果
特になし。
臨床的観点からの成果
特になし。
ガイドライン等の開発
国際機関等から出版されている化学物質管理に係わる重要な文書、書籍を翻訳出版した。
これらは国内法とも深く関連するために関係省庁でも参照されている。
その他行政的観点からの成果
SAICMおよび欧米各国のGHS関連法規と日本の労働安全衛生法との比較を行い、これに基づき、行政の委員会等で情報提供および今後の日本の対応について提言を行った。特に厚生労働省の「職場における化学物質管理の今後のあり方に関する検討会」においては、その報告書の中で、職場における化学品の危険有害性情報伝達の重要性を認識しその改善を検討するという結論を導くに至った。そして平成24年、労働安全衛生規則が改正され全ての危険有害な化学品に対してラベルやSDSが努力義務化された。
その他のインパクト
2011年2月25日NHK「あさいち」でGHS表示が取り上げられた。
2011年3月5日日本大学理工学部公開市民大学講座で講演した。

発表件数

原著論文(和文)
7件
原著論文(英文等)
4件
その他論文(和文)
9件
その他論文(英文等)
2件
学会発表(国内学会)
6件
学会発表(国際学会等)
5件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
その他成果(普及・啓発活動)
10件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2023-05-25
更新日
-

収支報告書

文献番号
201032008Z