在宅で介護する家族にエンパワーメントをもたらす看護を提供できる研修プログラムの作成

文献情報

文献番号
201031075A
報告書区分
総括
研究課題名
在宅で介護する家族にエンパワーメントをもたらす看護を提供できる研修プログラムの作成
課題番号
H22-医療・若手-055
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
川野 英子(国際医療福祉大学 保健医療学部 看護学科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
2,610,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 訪問看護における家族看護に関する研修実態を把握し、より効果的な研修内容を検討する。
研究方法
 全国の訪問看護ステーションに勤務している看護師5910人を対象に、2010年7・8月に無記名自記式質問紙調査を行った。その調査内容は、A.訪問看護ステーションおよび看護師の属性、B.家族への看護に必要な、知識・介入技術・態度(27項目)、C.訪問看護ステーションの家族看護に関する研修状況であった。なお、分析は、単純集計および、属性と訪問看護活動に必要であると思う、家族看護に必要な、知識・介入技術・態度(27項目)、家族看護に関する研修の実施状況の関連性を検討した。
結果と考察
 有効回答数は2211人(37.4%)であった。回答者の平均訪問看護経験年数は6.8±5.6年で、訪問看護ステーション内の勉強会実施率は34.6%であった。看護師は、訪問看護師の価値観を押し付けないことが訪問看護活動に必要であると認識する一方、別居家族も含めた、複数の家族員と関わるコミュニケーション技術はあまり必要でないと認識していた。訪問看護で行われる療養・介護指導は、指導を受けた相手がその内容を実施しなければ意味をなさないため、看護師の価値観を押し付けず、相手に受け入れられる介入技術を重視していると考えられる。一方、あまり必要でない家族看護の知識・介入技術・態度には、複数の家族員と関わる内容があった。訪問看護実践マニュアルでは、地域ケアを視野に入れた家族支援が期待されているが、家族看護学では、家族看護のジェネラリストは家族という文脈の中の個人に焦点をおくとしている。実践と人材育成の間には、期待する看護介入レベルに差があると考えられる。また、地域ケアを視野に入れる場合は、地域包括支援センターなどとの協働を見据えた研修内容を検討する必要がある。さらに、家族療法(15人)を含む13項目は用語自体を知らない人や、訪問看護経験年数が7年から10年では、個人のセルフケア向上につながる介入技術を重視する傾向が明らかとなった。そのため、家族看護学に関する基本的な用語の解説から応用まで段階的なプログラムを準備する必要がある。
結論
 訪問看護活動における介入レベルを検討することが必要である。なお、本結果を踏まえ、認知症の受容が十分でない家族に対する説明や提案ができるコミュニケーション技術の方法を理解できることを目標にした視覚教材を作成した。

公開日・更新日

公開日
2011-06-09
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201031075C

収支報告書

文献番号
201031075Z